まずは自分から言い方を変える
このアイ・メッセージという考え方は米国の心理学者であるトーマス・ゴードン博士が『親業』という本の中で提唱した。
わたしはこれは素晴らしい方法だと思って、教師時代にいろいろと試し、実際、かなり有効であることが分かった。
子どもに対してアイ・メッセージで話すようになると、いつの間にかしゃがんで子どもと目線を合わせて話すようになり、子どもたちも素直に耳を傾けてくれるようになったのだ。
ただし、わたしを主語にすれば、何でもいいというわけではない。「偽りのアイ・メッセージ」というものがあり、非難や押しつけの気持ちが入っていると、効果がない。
例えば、「ちゃんとやらないから、(わたしは)嫌になるわ」とか「テストで100点取るのを(わたしは)待っているぞ」という言い方では子どもは心を閉ざすだろう。
もし、日ごろ、みなさんがマイナスイメージの言い方や、人格否定、ユー・メッセージで子どもと会話しているならば、是非、ここで紹介したプラスイメージの言い方や単純指示、あるいはアイ・メッセージを試していただきたい。
重要なことは、「それじゃ、妻(夫)にそうさせよう」ではなく、自分から始めること。思い切って、言い方を変えるだけで、きっと子どもとのコミュニケーションはぐっとよくなるはずだ。
初出「親力養成講座」日経BP 2008年1月11日
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