ウクライナ戦争における“真の勝者”が「中国」だと断言できる3つの理由

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国際社会の制止にも一切の聞く耳を持たず、ウクライナへの軍事侵攻に踏み切ったプーチン大統領。2月28日に行われた停戦交渉でも具体的な成果が得られることはなく、戦火を交える両国でさらに犠牲者が増えることが確実の状況となっています。そんなウクライナ危機にあって「真の勝者」が存在すると明言するのは、ジャーナリストの上杉隆さん。上杉さんは自身のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』で今回、そのように判断する理由を3つ挙げそれぞれについて詳細に解説するとともに、外交巧者の中国が世界の覇権を手にする日も近いとの見立てを示しています。

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【3つの理由】誰も書かない「ウクライナ戦争」の真の勝者

ウクライナ戦争での勝者は誰か?ロシアか?ウクライナか?あるいは別の国だろうか?時に、戦争に勝者はいないという。だが、今回のウクライナ戦争ほど、はっきりと勝者の姿が現れたのは珍しい。

敗者は明確である。攻撃を受けているウクライナ?国際社会からの信頼を失いつつあるロシア?あるいは、欧州の安全を守れなかったNATO?それともバイデン大統領になって対外的な力を失いつつある米国?答えは、国際連合である。

1945年に創設された国際連合、その耐用年数を過ぎているとはよく指摘されることだ。無理もない。戦後のプレゼンスは激変し、国際協調の枠組みも新しいものになっている。80年近く前の戦勝国による国際管理体制がいつまでも有効だとは誰も思っていない。

とはいえ、今回のロシアの動きが示すように、P5(常任理事国)がここまで国連自身を蔑ろにすると、存在理由そのものが問われることになる。理事会の決定は意味をなさなくなり、国際的な安全保障の枠組みも無効化してしまうと言っても過言ではない。日本などの国がかつて目指していた常任理事国入りという議論がほとんど起こらなくなっているのも頷ける。

一方で、今回のウクライナ戦争は、意外な者の頭上に冠を戴かせた。その国が得た3つのメリットを挙げれば、必然的にその理由も見えてくるだろう。

  1. 北京オリンピック中の非開戦公約を達成し、平和の祭典をアピール
  2. ロシアが受けるであろう経済制裁(SWIFTからの排除)の代替として、デジタル人民元を提示
  3. ウクライナ、ロシア双方にとって最大の貿易国となり、経済的な資源エネルギー戦略においても、また軍事的な意味でも圧
    倒的な存在となった

今回の戦争の勝利といえば、習近平の中国をおいてほかにいないだろう。戦争当事国でない中国が勝者というのは奇怪な解釈に思えるかもしれない。

しかし、今回の中国の対応は、ロシアという大国ですら、中国の影響力を無視できないということを見せつけた以上に、中国の承認を得れば、先進国の大半を敵に回してでも戦争ができるのだということを証明したことになる。

考えうる理由をひとつずつ解説しよう。

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