なぜ市民運動家は反戦デモ中にウクライナ国旗を持てなかったのか

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世界各地で広がりを見せる、ロシアのウクライナ侵攻に対する抗議行動。市民運動家で著書『嵐を呼ぶ少女とよばれて―市民運動という生きかた』でも知られる菱山南帆子さんも、志を同じくする仲間たちと街頭行動を企画したそうです。しかしそのさなかに菱山さんは、ウクライナ国旗を手にすることに抵抗感を覚えたと言います。なぜかような感情が湧き上がってきたのでしょうか。菱山さんは今回、自身のメルマガ『菱山南帆子のメールマガジン「猫とトラメガ」』に、その理由を綴っています。

※ 本記事は有料メルマガ『菱山南帆子のメールマガジン「猫とトラメガ」』2022年3月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

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やっぱり、私、国旗は持てない。ナショナリズムに気をつけて!

前回のメルマガを配信したとき、ロシア軍によるウクライナ侵略が始まった翌日でした。その日の朝から状況が判明し、一般市民が巻き添えになっているこの戦争をテレビで見ていていいのか。何か行動しなくてはならないと私は宣言し、提起しました。

戦争になったら殺し殺される現場に駆り出されるのはまず若い人たちからです。

私たちが当事者として全世界で立ち上がる反戦運動と連帯して何か行動を起こそう!と話し合いました。

そして3月4日、ロシア大使館前、3月6日新宿駅東南口にて街頭行動を企画しました。

ロシア大使館前には400人。

新宿東南口には450人そして改憲反対の署名は130筆集まりました。

このような大きな運動を自分たちで提起したことがなかったので、予想以上の集まりに慌てふためきながらも、青年たちは声の限り自分の思い、そしてシュプレヒコールを行いました。

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さて、私たち総がかり青年PTは行動の前に何度もグループLINEで話し合いました。

戦争とはどういうものなのか、目を背けたくなるような市民が殺され泣き叫ぶ子どもたちの報道を毎日それぞれが共有しあいました。

そして、私たちは「国を支持するのではなく、あらゆる戦争に反対するのだ」ということを確認し合いました。

これは危うく、「ロシア=敵」となってしまいがちな気持ちへの問題意識です。

ロシアの市民たちも侵略直後から「ウクライナ市民に申し訳ない。恥ずかしい」と反戦の声を上げていました。

ロシアで反政府的な発言や行動をすること自体、とても危険で難しいのにも関わらず。

その証拠にいま、ロシアでは子どもも含む、反戦の声を上げた市民が1万人以上拘束されました。

行動するだけではなくそれに向けて私たちの意見を出し合い、情報を共有し合い考えることも行いました。

そんな話合いを毎日グループLINEの中で繰り広げるうちに「戦争とは真っ当な判断が出来なくなるのだ」ということも学びました。

過去の戦争もそうだったと思います。

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