コロナ禍の緊急事態宣言などで、営業時間を短くせざるをえず、時短で営業していた時期の売り上げが、落ちる飲食店も多くありました。
そこに目をつけたのが、自販機メーカーの、サンデン・リテールシステムという会社でした。
日経新聞によると外出が減って、飲料自販機の売上高が減ってしまった中、巣ごもり需要で伸びた冷凍食品に注目したそうです。
この自販機の名称は「ど冷えもん」だそうです。「24時間無人で売れる」とアピールすると、「冷食メーカーより時短で夜に営業できない、個人飲食店からの声かけの方が早かった」とのことでした。
確かに、このような店は増えているようで、東京新宿区、荒木町の私のオフィスの近くにも、美味しい豚骨ラーメンの店があるのですが、半年くらい前からやはり自販機で、冷凍のお店のラーメンと餃子を売っています。
個人店でも、美味しくて行列ができるお店は多いですよね。
マーケティングにおいて、売り物そのものを変えるのは、簡単なことではありません。
ただ、売り先に付加価値をつけることはできます。
この場合は、売り物の長崎ちゃんぽんに、「いつでも持って帰り、リンガーハットの味を家でも楽しめる」という、体験価値を付加しました。
売れなくなってくると、広告費を増やしたり、あたらしいSNSやITを取り入れたりと、手法に頼りがちです。
しかし、この自販機での販売のように、付加価値をつけて売り方を変えれば、売り物を大きく変えず、顧客にも満足してもらえることができます。
今回は飲食店の事例ですが、他の業界、業種でも使える、示唆に飛んだ事例です。
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