…が、今年は、今年くらいは、ただただひたすら休むことをお勧めします。
コロナ感染拡大により、日常が激変したことは改めて言うまでもありませんがその中で増えているのが「みえないうつ」です。コロナ前ほど働いてないのにストレスを感じる人が増え、逆に在宅勤務でコロナ前より労働時間が増え、心身が疲弊している人も。
そもそも、知的な疲れほどややこしいものはありません。精神緊張や心的負担を伴う仕事は、本人が知覚する以上に心的な疲れをもたらします。心的な疲れを癒すには、適度な運動、精神的ゆとり、遊び、お喋り、笑い、など、心的疲労を癒す“資源”が必要不可欠です。とりわけ、「何もしないでぼーっと過ごす」「動きたくなったら動く」という休みの自由化を意識的に作ることは極めて重要です。
過度な遊びや、スケジュールづめの旅行は、精神的な興奮につながるストレスでもある。おまけに現代の過剰な情報化社会では、“SNSを見るだけ”でもストレスになります。休み明けに「余計疲れた」「やる気が出ない」とぼやく人が多いのも、そういった行動が心的ストレスとして、蓄積されることに起因しています。
疲労は、いわば“借金”と同じです。私たちは、私たちが認識している以上に疲れていて、疲れの借金だらけになっている。結果、頭痛、肩こり、イライラ、やる気がでない、眠れない、疲れやすいなどの症状に代表される“蓄積疲労”に陥り、最悪の場合、うつや突然死につながってしまうのです。
情報社会に翻弄される「今」の働く人たちは、「一億総国民が24時間365日開店状態」といっても過言ではありません。「何も縛られない自由時間」を連続的に取る優先度を、もっともっと高めなきゃいけないのです。うつ病は現代病とも言われていますが、うつのないアフリカの狩猟民族の人たちは今でも太陽とともに起き、太陽とともに寝て、日中は体を適度に動かし、食事はみんなで平等に分け合い、仲間とのコミュニケーションを常時とっている。
太陽とともに起き、太陽とともに寝て、日中は体を適度に動かす──。
そんなゴールデンウィークを、ぜひともお過ごしください。
みなさまのご意見も、ぜひお聞かせください。
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