選挙区割りが変わらなければ、後援会組織はそのまま残る。地盤、看板、カバンの三バンが二世、三世議員に受け継がれ、地方の保守王国が温存される。細田氏や安倍氏が世襲議員であるのは言うまでもない。
こうした政治風土が、日本の社会を既得権勢力から解放できない要因であり、政界に新風を吹き込む人材の出現を妨げる元凶となっている。政治は家業でも稼業でもない。
かつて、政党自身が世襲の禁止を打ち出したことがある。民主党に政権が交代した09年総選挙の時だ。民主党はマニフェストに、現職の国会議員の配偶者と3親等内の親族が、同一選挙区から連続して立候補することを党のルールとして認めないと明記した。
これに対抗する形で、自民党も同様の対象を「次回の総選挙から公認、推薦しない」と公約した。しかし、こうした動きは、自民党の政権復帰を経て、雲散霧消した。
世襲規制に強く反対した1人が細田氏だった。その人が今、「10増10減」に抵抗し続けるのは理の当然といえる。
自民党議員のパーティーで「1人当たり月額100万円未満であるような手取りの議員を多少増やしても罰は当たらない」と発言したあたりも、庶民感覚とかけ離れた“殿様気質”というほかない。
文春にセクハラ疑惑が報じられるオマケもつき、細田氏の出方が注目されるなか、「10増10減」の勧告期限6月25日は刻々と迫っている。
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image by: 細田博之 - Home | Facebook