“美味しい”をそのまま冷凍する「凍眠」で飲食の新業態を切り拓いたスゴい企業

2022.05.30
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多様な「食品を提供する形」を生み出す

カスタマーズディライトでは「凍眠」を2021年7月より取り入れて休業している店舗で冷凍食品を製造していた。そして、この分野に本格的に参入しようと所沢総合食品地方卸売市場(埼玉県所沢市)の中に120坪を借りセントラルキッチンを開設、4月15日から稼働させている。ここには大型の「凍眠」を6台導入して冷凍食品の製造をメインに行っている。

これから冷凍食品のアイテムを逐次増やしていくが、現在の事例としてタイ料理の「カオマンガイ」を紹介しよう。

現状ECで販売されているカオマンガイのパッケージ

現状ECで販売されているカオマンガイのパッケージ

同社ではカオマンガイ専門店の「渋谷カオマンガイ」を擁しているが、この業態は今後FC展開も可能であると考えている。そこで同店の看板商品であるカオマンガイを冷凍食品にして加盟店に供給することを検討している。商品の調理は「凍眠」を使ってセントラルキッチンで全て行っている。

袋詰めされた調理済みのご飯は真空パックされる

袋詰めされた調理済みのご飯は真空パックされる

真空パックされたご飯は「凍眠」によってマイナス30度に急速冷凍

真空パックされたご飯は「凍眠」によってマイナス30度に急速冷凍

冷凍されたカオマンガイのご飯とチキン

冷凍されたカオマンガイのご飯とチキン

同社が「凍眠」技術を活発化するに伴いECサイト「Res-Pocke~レストランポケット~」を立ち上げた。カオマンガイはここで単品800円、3食セット2,400円、6食セット4,500円で販売。同じブランドでグリーンカレー、さらにラーメン「満鶏軒」の鴨中華そば、焼肉「食道園」のキムチもラインアップしている。

Res-Pocke

同社における冷凍食品は現状一般消費者向けであるが、このセントラルキッチンの展望は大きく描かれている。同社代表の中村氏はこう語る。

「『凍眠』によって、店舗段階では仕込みが不要となり労働環境は大きく改善される。キッチンの機能をコンパクトにすることができることから、小さくて本来飲食業に向いていない物件でも飲食店の営業が可能になる。フードトラック(移動販売車)のメニューにも向いている。また、同業他社の製造を受託するなどOEMの役割も担っていきたい」

新しく動き出した事業の展望を語るカスタマーズディライト代表の中村隆介氏

新しく動き出した事業の展望を語るカスタマーズディライト代表の中村隆介氏

カスタマーズディライトは「凍眠」と巡り合ったことでコロナ禍前には考えられなかった事業領域を切り拓いた。お客に来店してもらう飲食店経営をベースにしながら、お客に商品を届ける、同業他社の商品をつくるという、多様な事業を擁する飲食の企業の形を整えつつある。

image by: 千葉哲幸
協力:株式会社カスタマーズディライトト , 株式会社テクニカン

千葉哲幸

プロフィール:千葉哲幸(ちば・てつゆき)フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

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