さっそく本文のなかから、気になったところを赤ペンチェックして行きましょう。
発想はいたって単純である。「高校コース」で受けた記事のテーマを雑誌にすれば、必ず成功する。ノストラダムスの大予言やミステリーゾーン、超能力、心霊などをメインテーマとする雑誌なら、少なくとも中高生には手に取ってもらえるはずだというわけだ
創刊号は1979年11月号である。なぜ、切りのいい1月号ではなかったのか。これには意味がある。創刊第2号は1980年1月号になるのだ。おわかりだろうか。2号目で、すでに創刊2年目なのだ。隔月で2冊しか発刊していないのに、あたかも2年間続いているかのような印象を受ける
改革の基本理念を強く打ち出したのは、「ムー」本誌のチーフデザイナーの寺澤彰二先生であった。寺澤先生は読者の目線から「ムー」は一般誌でなく、あくまでもマニア雑誌であることを認識すべきだと主張した。マニアは高度な情報を求める。だれもが知っているような話など聞きたくもなければ、読もうとも思わない
謎を解明するにあたっては、まずは何がミステリーなのかをきちんと提示しておかなければならない。とくに文章量の多い総力特集においては、最初に、どこが謎で、どうして科学では説明できないのかという部分を丁寧に説明しなければならない
かつての偉人、アルキメデスには風呂、ソクラテスには悪妻と監獄、そしてニュートンにはリンゴがあった。彼らの研究は非常に革新的ではあるが、それよりも大事なのは、発見にまつわる物語なのだ
大切なのはスタンスである。答えはひとつだけとは限らない。2次方程式の解がふたつあるように、別の答えがあるかもしれない、謎に対するアプローチが違えば、得られる結論も異なる可能性がある
ムー的な世界とは、まさに1パーセントのニュートラルである。超能力や幽霊、UMAなど、そんなものは存在しない。そう考えることは自由である。だが、99パーセントありえないと思っていても、どこかに1パーセントだけ判断を留保する。ひょっとしたらありうるかもしれないという思いを保つ。これが大事なのだ
ギリシャ留学中、アトランティス伝説に興味を持ったこともあり、「ムー」は個人的にも大好きな雑誌。
その制作の裏側が覗けて、クリエイティブのヒントがもらえて、自分的には大満足の一冊でした。
ぜひ、読んでみてください。
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