解説
西側世界がロシアのウクライナ侵攻に憤慨して、次は中国の台湾侵攻かと神経をとがらせているタイミングでシンガポールは中国と合同軍事演習を発表しているのです。
どうみても、英国、米国の言いなりになっていません。
随分と前の話になりますが、英誌エコノミストでシンガポールに批判的な記事を読んだことがあります。リー・クワンユーは独裁者だとか、そういった記事です。
エコノミストは辛口に各国を批判していますから、その時は何とも思わなかったのですが、その後にその記事に対する訂正記事が発表されたのには心底驚きました。
英誌エコノミストにシンガポールからどのような圧力があったのでしょう。どういった形でどういった内容の圧力をかけたのか、そちらの方に強い興味を持ちました。それ以来、私のシンガポールに対する興味は続いています。
先日、シンガポール国立大学MBAの卒業生であるパキスタン人とランチをする機会があったのですが、彼によると、10年前、彼の同級生100人のうちの35人が中国人。30人がインド人だったそうです。残りが欧州、米国、日本、韓国などです。そして卒業生の9割がシンガポールで就職したそうです。
バブルの1990年ごろMITのビジネススクールで定員250名中50名が日本人留学生だった時期がありました。5人に1人が日本人と言うその数字に驚いたものです。日本の財力もあったのでしょうが、MITの「日本から学びたい、日本を取り込みたい」と言う強い意志を感じました。
シンガポール国立大学MBAが10年前に中国・インドの学生を大量にとっていた状況、意図的なのか、結果的になってしまったものなのかも含めて非常に興味深いです。
そういった事が関係するか否かわかりません。しかしいずれにしてもシンガポールはアジアのビジネス・政治の中心として東京を圧倒的に凌駕する存在になったのです。
経済的にシンガポールの一人当たりのGDPは日本の2倍以上にまでなっています。ここに記したように国際政治にも大きな存在感をもっています。
もちろん、シンガポールは都市国家ですから、日本と単純な比較はできません。しかし日本が真摯に学ぶべき点は多いです。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』6月12日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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