バレ始めたウクライナ戦争のウソ。西側の国民に伝えられない侵攻の真実

 

米政府は巨額の予算をつけ、ウクライナに大量の兵器を送り込んでいることになっている。送り込んだ兵器がどこでどう使われているか、本来は米国防総省が追跡して把握すべきなのだが、追跡はほとんど行われていない。国防総省自身がそれを認めている。ハルキウでウクライナ軍が米国から送られた対戦車砲を使って露軍を後退させたのであれば、少なくともハルキウでは米国からの兵器が使われたことになる。だが、他の場所で露軍が優勢なままなので、ウクライナ全体として米国からの対戦車砲はあまり使われていない感じだ。米国が膨大な兵器を送っても、一部しかウクライナで使われず、残りは兵器のブラックマーケットに流され、世界の他の場所でテロリストや犯罪組織に使われてしまうとインターポールが警告している。

Weapons sent to Ukraine could get into wrong hands – Interpol
Pressure Mounts On Pentagon Over Lack Of Oversight For Ukraine Weapons

米国側が兵器を実際にウクライナに送っているのなら、そこからウクライナ政府の腐敗した高官によってブラックマーケットに横流しされる懸念になるが、実際に兵器が送られておらず、国防総省の下請け会社や軍事産業で資金洗浄されて米国の政界や諜報界の裏金や横領金に化けている可能性もある。最近の記事でその可能性について書いた。

米政治家らに横領されるウクライナ支援金

ウクライナ戦争の米国側は、プロパガンダの分野でもインチキが横行している。ウクライナ政府のデニソバ人権監督官(Lyudmyla Denisova)は、露軍兵士がウクライナで市民を強姦したり性的に残虐な殺し方をしているといった話を、4月の2週間に400件、米国側のマスコミに流し、米タイム誌などがさかんに喧伝した。だがその後、ウクライナのNGOが、露軍兵士に強姦された被害者たちの救援事業をやって米欧政府などから補助金や支援金を集めるため、デニソバ人権監督官の強姦話を一つずつ検証して被害者や家族など関係者に会っていこうとしたところ、具体的に検証していける話がなく、デニソバが話をでっち上げていたことがわかった。

Ukraine Fires Own Human Rights Chief For Perpetuating Russian Troop ‘Systematic Rape’ Stories

加えてデニソバは、ウクライナ政府からロシアに行って捕虜交換の話をまとめてこいと言われたのに西欧に行って休養していたことも発覚し、NGOからの抗議を受けてウクライナ議会が調査し、5月31日にデニソバを罷免した。デニソバは辞めさせられたが、無根拠なのに無検証のまま報道したタイム誌など米国側マスコミは訂正記事も出さず、米欧日の多くの人がインチキな露軍強姦話を軽信したまま生きている。今回の戦争で米国側のプロパガンダづくりを担当している英諜報界がデニソバに入れ知恵した可能性があるが、デニソバがなぜ突然に大量の作り話をでっち上げて流布したのかも不明だ。

Rape Allegations Against Russian Troops In Ukraine Were Fake
Why Ukraine’s human rights chief Lyudmila Denisova was dismissed

開戦以来、ウクライナの優勢と露軍の惨敗という、事実と逆のことばかり報じてきた米国側のマスコミは、最近になってようやくウクライナ側が苦戦している事実を報じ始めた。NYタイムスは5月10日にウクライナ軍の苦戦ぶりを初めて報じた。5月26日にはワシントン・ポストが、外国から来た義勇兵と傭兵たちを酷使しすぎているウクライナ軍を初めて批判的に報道した。5月23日には米外交・諜報界の重鎮であるキッシンジャー元国務長官が、ウクライナでのロシアの勝利はすでに確定的だから外交交渉で停戦するしかないと指摘した。

Ukraine War’s Geographic Reality: Russia Has Seized Much of the East
Ukrainian volunteer fighters in the east feel abandoned

開戦以来、事態を傍観してきた米諜報界の古株たちが、もうこれではうまくいかない、もうやめろ、とタオルをリングに投げ込んでいる。しかしおそらく、今の諜報界やバイデン政権を握っている「民主党左派に移ったネオコン筋」は、古株からの警告を無視して無茶な戦争やロシア敵視を続ける。ネオコン筋は、外交や戦争を過激に稚拙にやって米国覇権を自滅させる隠れ多極主義者だから、ここで自滅策をやめるはずがなく、むしろこれからが本番だ。

左派覇権主義と右派ポピュリズムが戦う米国
米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化

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