風光明媚な地方の居住者も雑然とした繁華街の生活者でも引きこもりはいる。私が相談として自宅を訪問した中でも、大きな海を一望できる雄大な景色を前にして引きこもっていた人はいたから、やはり土地との関連性はうすい。
注目すべきはこの調査で浮かび上がったきっかけと年代別の統計である。
今回の調査は昨年7月から今年2月にかけて郵送と訪問で実施し、対象の57.2%にあたる10万3196世帯から回答を得た。年代別を見ると、40代が17.1%で最多で、20歳未満10.6%、20代11.7%、30代13.9%、50代16.6%、60代9.6%。
つまり20歳から上昇し40代でピークになり、50代から下降するのだが、それが「なくなる」のか、「あきらめるのか」は不明である。
また引きこもり状態の期間は6か月未満7.5%、6か月-1年未満8.7%、1-3年未満が28.7%、3-5年未満12.5%、5-7年未満8.4%、7-10年未満8.4%、10年以上25.7%。
1-3年が最も多いものの10年以上の長期化した方とは僅差である。きっかけは「長期に療養を要する病気」「職場になじめなかった」等。「健康」「収入・生活資金」「家族の健康」が当事者の現在の困りごととして示された。
調査後は当然、対策の立案と実行に移行するステップかと思うが、調査では、行政などへの相談を当事者の62%と家族の45%が「したことはない」と回答していたことから抜本的にこれまでの対策を見直す必要があることも突き付けられている。
社会課題の解決の道筋を描くにあたって、今回の調査で輪郭がおぼろげでも見えたのは心強いが、解決には公的機関だけでは難しく社会全体での取組が必須だ。
区は「回答した当事者らへの追加調査と、未回答の世帯への再調査を実施する方針」(東京新聞)とのことだが、量的調査をした上で再調査では質的分析も交えて、より有効な対策を取れるデータを集積してほしいと思う。
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全国的に注目されたこの調査を受けての江戸川区の取組は良くも悪くも期待されることになった。私も区民として他人事ではないと思いつつ、やはり多くの区民と抜本的に対応を考えていくことを提言したいと思う。
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