再来年の大河ドラマの主役・紫式部が持っている意外な伝説とは

KYOTO, JAPAN - OCTOBER 21: Murasaki Shikibu statue in Kyoto, Japan on October 21, 2014. Japanese novelist, poet and lady-in-waiting during Heian period, best known as the author of The Tale of Genji
 

ところで、紫式部と共に彰子の家庭教師を務めたのが和泉式部です。和泉式部は中古三十六歌仙に選ばれた歌人で、紫式部とはライバル関係にあったようです。紫式部は和泉式部に関して面白い評を残しています。

和泉式部は現代で言うところの、「肉食女子」であったのですが、そんな彼女を紫式部は、歌は上手だけどふしだらだと言っているのです。紫式部だけではなく、道長も和泉式部の自由奔放な性生活ぶりに呆れ、いい加減にしろと注意した程です。

話を紫式部に戻します。

京都には紫式部が地獄に堕ちたという伝説があります。地獄に堕ちた理由は紫式部が嘘ばかりを書いたからだそうです。式部の墓は京都市北区の紫野にあるのですが、隣に小野篁の墓が建っています。篁は平安時代初期の政治家で学者でもありました。

式部よりも150年余り以前の人です。その二人の墓が並んでいるのは、篁の人となりに原因しています。篁は冥府で閻魔大王を補佐していたと伝わっています。

冥府にやって来た人間を地獄か極楽かを裁く閻魔大王に助言をしていました。地獄に堕ちた紫式部は小野篁に助けを求めている、と解釈されているのです。再来年のNHK大河ドラマの主人公、紫式部の意外な伝説です。

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1961年岐阜県岐阜市に生まれる。法政大学経営学部卒。会社員の頃から小説を執筆、2007年より文筆業に専念し時代小説を中心に著作は二百冊を超える。歴史時代家集団、「操觚の会」に所属。「居眠り同心影御用」(二見時代小説文庫)「佃島用心棒日誌」(角川文庫)で第六回歴史時代作家クラブシリーズ賞受賞、「うつけ世に立つ 岐阜信長譜」(徳間書店)が第23回中山義秀文学賞の最終候補となる。現代物にも活動の幅を広げ、「覆面刑事貫太郎」(実業之日本社文庫)「労働Gメン草薙満」(徳間文庫)「D6犯罪予防捜査チーム」(光文社文庫)を上梓。ビジネス本も手がけ、「人生!逆転図鑑」(秀和システム)を2020年11月に刊行。 日本文藝家協会評議員、歴史時代作家集団 操弧の会 副長、三浦誠衛流居合道四段。 「このミステリーがすごい」(宝島社)に、ミステリー中毒の時代小説家と名乗って投票している。

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