6月の熱中症搬送1.5万人超。今夏「命」を奪われるリスクが高まるワケ

 

昨日(5日朝)、長崎県佐世保市付近に上陸した台風4号の影響で、長崎県や福岡県、熊本県では1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降りましたが、温帯低気圧に変わった後も各地で豪雨を降らせました。これから9月くらいまでは、台風だけでなく、晴れた日の午後に降る、ゲリラ豪雨にも十分な警戒が必要です。

かつて「お天気の世界」に身を置いていたものとして、痛感したのは「地球は生きてる」ってこと。異常な暑さが続くと、その暑さを冷やすために豪雨が降る。酷暑のあとは寒い日が多くなったり、大気のバランスを保とうとするのです。

今年同様、6月に梅雨明けした2018年には、西日本を中心に記録的な大雨となった「平成30年7月豪雨」が発生。河川の氾濫、浸水害、土砂災害等などで、237名が亡くなりました。一方で8月中旬の後半には、非常に強い寒気が流れ込み、東日本や北日本を中心に8月の最低気温を更新しています。

「温暖化」という言葉から「暑い日だけ」をイメージしがちですが、両極端な気象現象が頻発しやすくなる。それは「災害が増える」ことを意味し、酷暑、豪雨、大雪、極寒などで、「命」が奪われるリスクが高まるのです。

問題はそれだけではありません。たとえ命を守ることができても…奪われた“日常”は戻ってきません。熊本県内で、災害関連死を含め67人が犠牲となり、2人の行方がわからなくなった2020年の記録的な豪雨から2年が経ちましたが、今も2600人ほどが仮設住宅などでの生活を続けています。

岸田政権は、感染症、自然災害や安全保障上の緊急事態で、多くの国民の命を救うことをミッションとする「健康危機管理庁(仮称)」創設を検討していると報道されました。しかし、参院選選挙を週末に控えているのに、その“中身”の構想は聞こえてきません。SDGsへの関心もかなり低いです。

と、温暖化の話から政治の話になってしまいましたが、もっと「私」たち自身も温暖化・異常気象に敏感になる必要があるのではないでしょうか。ただでさえ日本列島は「自然災害」が多い国。急峻な地形で、河川の流れが短く急流であるため、豪雨が起こりやすいのです。

「国民の命を守る」とは、何なのか?みなさまのご意見、お聞かせください。

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