与党大勝ではなく野党大敗。立民が描くべき「中進国」日本の未来

tkn20220712
 

自民党の独走を許すどころか比例獲得議席数では日本維新の会を下回るなど、参院選で大惨敗を喫した立憲民主党。なぜ野党第一党は、かくも無惨な状況に陥ってしまったのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、同党の歴史を振り返りつつその原因を考察。さらに日本の「惨状」が一目瞭然となるデータを提示しつつ、立憲民主党に対して構想の転換を促しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年7月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

戦略も戦術もない野党第一党の無惨な敗北/参議院選挙後に改めて考える日本の行方

自民の大勝というよりも野党の惨敗に終わった参議院選挙の結果である。岸田文雄首相率いる自民党は、何を争点にして勝ちを掴んだと言えるものはなく、ウクライナ戦争への人々の同情をそのまま「台湾有事」「尖閣危機」への恐怖感にスライドさせて漠然たる不安感を煽り、そういう時こそ「安定第一」の自民党政権が何よりという気分を醸し出した。それを投票日2日前の安倍晋三元首相の銃撃死のショックがダメ押しした。

野党第一党の立憲民主党は、この真綿で首を絞めるような情念的な心理操作作戦にほとんどなす術もなく受け身で右往左往しつつジリジリと後退を強いられ、ホワイトハウス発・永田町増幅による「ロシア・中国脅威論」の虚構性を暴いて別の世界解釈と外交方策を示すことが出来なかった。そこを突き詰めると、結局この党は、何一つ戦略らしきものを持っておらず、従って例えば今回選挙での共産党など他党との選挙協力などの戦術選択も腰がフラついて上手く取りまとめることが出来ないでいることが判る。

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