アイデアの発想元というのは、意外なところから生まれるものです。今回、メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが紹介するのは、大阪のおばちゃんが“女子会”で生み出すアイデアから生まれたファッションブランド。平均年齢82歳のアイデア女子たちが注目を集めています。
平均82歳のアイデア女子たちが創る、奇抜ファッションブランド!?
大阪市西成区。地域住民と芸術家が創造活動を展開する、大阪市の文化事業施設があります。
「kioku手芸館『タンス』」。元タンス工房を改装したこの施設では、芸術家と住民によるワークショップが開催されています。
その中のひとつが、いま注目を集めています。
現代美術家が、古着を裁断して新しい服を作ることを提案。そこに参加した人たちが、どんどん腕を上げ、ワークショップに留まらず、販売を前提としたファッションブランドを立ち上げてしまったのです。
参加しているのは、平均年齢82歳のおばちゃんたち。元々手芸好きの人たちが集まっていたものの、服飾関係の仕事をしていた経験は一切ありません。
最初は、古着を裁断することや継ぎ接ぎだらけにすることに抵抗を覚え、主導する美術家に文句を言うこともありました。
「もったいない!」「何でそんなことを?」
堂々と文句を言うのは、おばちゃんの習性でもありますが、美術家と話しているうちに、納得できるようなり、なおかつ面白いことだと気づき始めたのです。
それからは、美術家のユニークな発想が憑依したかのように、おばちゃんたち自らが面白いアイデアを出すようになりました。そのアイデアの発想元が、これまたおばちゃんらしいのです。
おばちゃんは、小さな地域社会の情報網を持ち、かつ、人間観察という特技を持っています。新しい服のアイデアもそこから生まれているのです。
焼き鳥店の女将さんを見て、腕が熱そうだったので、服の袖に100枚のパッチワークをあしらった商品「やきとりジャケット」を考え出しました。
また、行き先によって、いつも違うバッグを持ち歩く知人を思い出し、「服にいろんなバッグがついていればいいのに」という発想から、たくさんのカバンを服に縫いつけた「かばんジャケット」が誕生しました。
他にも、片方にジャージ素材を使用し、足首までファスナーが開くデザインの「アシンメトリーパンツ」や継ぎ当てを全面に施した「ニッカポッカパンツ」なども生まれています。