アメリカで注目。なぜ今、最古の歴史書『戦史』に学ぼうとするのか

KYIV, UKRAINE - Mar. 29, 2022: War in Ukraine. Shopping center that was damaged by shelling on 21 March by a Russian attack in Kyiv, where according to emergency service, at least six people diedKYIV, UKRAINE - Mar. 29, 2022: War in Ukraine. Shopping center that was damaged by shelling on 21 March by a Russian attack in Kyiv, where according to emergency service, at least six people died
 

ロシアがウクライナに侵攻してから5カ月が経とうとしています。平和な時代に慣れてしまった私たちが、「戦争はいつ起きてもおかしくない」と気付かされた中、アメリカでは最古の歴史書である『戦史』が注目されているといいます。そこで今回のメルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、『戦史』のわかりやすい解説を加えた一冊を紹介しています。

『戦史』に学ぶ。危機を考えるヒント】⇒『人はなぜ戦争を選ぶのか』

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人はなぜ戦争を選ぶのか

トゥキュディデス・著 ジョハンナ・ハニンク・編 太田雄一朗・訳 茂木誠・解説 文響社

こんにちは、土井英司です。本日ご紹介する一冊は、最古の歴史書『戦史』のなかから、演説部分を抜粋し、解説を加えたもの。

【参考】『戦史

繁栄を極めた古代アテネが、なぜ無謀な戦争に向かい、ペロポネソス戦争で敗北するに至ったのか、その経緯がよくわかる記述で、戦争の危機に直面している現在のわれわれが読めば、いろいろと示唆が得られる内容です。

新興国家が台頭し覇権国家の不安が増大すると両者は必ず軍事的に衝突する

これは、「トゥキュディデスの罠」と呼ばれる法則ですが、近年アメリカでは、覇権国家スパルタと新興国家アテネをアメリカと中国になぞらえて米中衝突を避けるべく、「今こそ『戦史』に学ぼう」という声が高まっているそうです(アメリカがスパルタとは限りませんが)。

なぜ人は戦争に向かうのか、そしてどんな要因から戦況が不利になっていくのか、単純ではない、複合要因が見えてきます。

  • なぜ中立の立場だけではダメなのか
  • なぜ財産よりも国や自由を守るべきなのか
  • 民主主義の危険性はどこにあるのか

中立国だったミロス島は頼りにしていたスパルタの援護なしにアテネに滅ぼされ、成人男性は皆殺し、女性と子どもは奴隷として売り飛ばされましたが、なぜ中立なだけでは危ないのか、その理由がよくわかります。

巻末には、世界史に詳しい予備校講師で、歴史系YouTuberとしても知られる茂木誠氏の解説が付いており、こちらも勉強になると思います。

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