すべては緊急事態宣言を出さぬため。東京の病床使用率44.7%という“改ざん”

 

しかし、ここまで感染者が急増しても、やはり岸田首相は新型コロナ対策には無関心です。1日の感染者数が過去最多を更新した22日、岸田首相は「医療提供体制を維持・強化し、メリハリのきいた感染対策を行ないながら、社会経済活動の回復に向けた取り組みを段階的に進めて行きます」と述べました。でも、これって、今年2月の第6波の時のコメントと全く同じなのです。

2月の第6波の時に「メリハリのきいた感染対策」など何ひとつ行なわず、「医療提供体制の維持・強化」もベッド数を増やしただけで、人員確保を怠りました。そのため「ベッドは空いているが医師や看護師が足りないため入院できない」という状況が続いているのです。それなのに、5カ月前と同じコメントって、あまりにも無責任過ぎます。

自宅療養を余儀なくされている全国の患者数は、7月の第1週には約13万人でした。これが、第2週には約28万人と倍増し、第3週には、2月の第6波の時の最多人数約57万人を超え、61万人超と記録を更新してしまいました。これは、第6波の時の経験が何も生かされていない証拠であり、この数か月間、岸田政権が何の対策も取らなかったことの証明でもあります。

感染者数が過去最多を更新した23日、東京都の病床使用率は「44.7%」と発表されました。しかし、これは大嘘なのです。病床使用率が50%を超えると「緊急事態宣言」の発令条件となってしまうため、「新型コロナ対策より経済優先」の岸田政権の意向を汲んでいる東京都は、50%を超えないように改竄したデータを発表しているのです。

この日、すでに沖縄県では病床使用率が77%に達しており、熊本県でも68%、他にも6県の計8県が50%を超えていました。しかし「まだ東京が50%以下だ」という伝家の宝刀を振るうことで、岸田政権は「緊急事態宣言」の発令に至らない口実としていたのです。事実、この前日の22日、東京都の新型コロナと思われる重症患者が、救急車を呼んだのに受け入れ先の病院が見つからず、50カ所もタライ回しにされたという報告がありました。

自分の住んでいる地域の病床使用率が44.7%だと聞けば、多くの人は「仮に感染して重症化しても入院して治療が受けられる」と思うでしょう。しかし、東京都の発表する病床使用率は「政治によって改竄された数字」であり「絵に描いた餅」なのです。そして、たとえベッドが空いていたとしても、岸田政権が何の対策も取って来なかったため、医師や看護師の不足によって入院などできないのです。

結局、岸田政権は、受診を希望する人たちに「発熱外来で検査キットを配布するので、自主検査して陽性なら自宅療養しろ」という丸投げ政策を発表しました。すると、今度は各病院の発熱外来に希望者が殺到し、次々と窓口がパンクして行ったのです。第7波の感染拡大は、各国の前例から分かっていたことなのに、事前に何の対策も取らなかったばかりか、逆に経済優先で感染拡大に拍車をかけた岸田首相。その挙句が、このアリサマです。

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