すべては緊急事態宣言を出さぬため。東京の病床使用率44.7%という“改ざん”

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7月23日には1日の感染者数が20万人を超えるなど、ピークアウトがまったく見通すことができないコロナ第7波。全国各地の発熱外来窓口はパンク状態に陥り、自宅療養者の数も増える一方ですが、このような事態を回避する手立ては打てなかったのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、第6波の経験をまったく生かせなかった岸田首相を強く批判。安倍元首相の国葬より先に、国民が安心して受診できる体制を整備すべきではないかとの疑問を記しています。

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都の病床使用率は絵に描いた餅

日本の新型コロナの新規感染者数は、しばらく1万人台から2万人台で推移していたため、ようやく落ち着いて来た空気感がありました。岸田政権も看板を掛け替えた「Go To トラベル」の再開に前向きで「新型コロナ対策より経済優先」のカラーを明確に打ち出しました。

ところが、6月下旬から、同じオミクロン株でも、より感染力が強く、よりワクチンが効かない「BA.5」への置き替わりが進み始めると、2万人が4万人、4万人が8万人と、1週間ごとに感染者数が倍増して行き、7月中旬には10万人を突破してしまいました。7月20日には15万人を超え、22日には19万人を超え、23日には初の20万人超、もちろん過去最多です。

しかし、日々発表されるこれらの新規感染者数は、あくまでも氷山の一角であり、実際には桁違いに多いはずです。それは、プロ野球や大相撲の感染者数の異常さを見れば分かります。巨人の場合など、監督から選手まで70人以上もの感染者が出てしまいましたし、他のチームも次々と感染者が報告されています。でも、これが現在の日本の縮図であり、実体なのです。プロ野球や大相撲が異常なのではなく、各チーム、各部屋が、全員の検査を毎日実施しているからこそ、正しい結果が出ているのです。

一方、一般人の場合は、発熱や喉の痛みなどの自覚症状があり、自分から検査を受けに行った人しか調べていません。その結果が「1日20万人」という感染者数なのです。もしも、プロ野球や大相撲のように、全国民1億2,000万人を一斉に検査したら、たぶん数千万人という感染者が見つかるでしょう。

東京都の場合、「少なくとも都民の7人に1人、多い場合は5人に1人が感染している」という試算が出ています。5人に1人であれば、東京都には約300万人もの感染者がいることになりますが、その大半は自覚症状がないため、自分が感染しているとも知らず、日々、生活しているのです。そして、仮にこの試算を全国に当てはめれば、1,700万人から2,000万人が感染していることになるのです。

それでは、どうしてここまで感染が拡大してしまったのでしょうか?その最大の原因は、6月下旬から感染拡大が始まっても、岸田政権が「新型コロナ対策より経済優先」という基本姿勢を変えず、何の規制も宣言せず、感染を野放し状態にしたことです。2年以上も続く新型コロナ禍でストレスMAXだった国民にとって、「緊急事態宣言」も「まん延防止等重点措置」もない夏の到来は「待ってました!」というわけで、各地の繁華街やテーマパークや観光地は人、人、人。

それでも、真面目な日本人は、他の国の人たちと違ってマスクだけは着用していますが、そもそもが「空気感染」なのですから、人ゴミに行けば感染リスクは急増します。人の多い場所では、空気中にウイルスが漂っているのですから、そこで飲食をすれば、空気中のウイルスも一緒に取り込んでしまうリスクが高いのです。

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