敵対する弁護士の住所を記載。統一教会信者を煽る国際勝共連合のヤバさ

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統一教会の関連団体である国際勝共連合は、霊感商法の被害者救済に行動している弁護士を「左翼弁護士」呼ばわりし、弁護士に対する見当違いの非難を展開してきた過去があるようです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、評論家の佐高信さんが、機関誌に弁護士の自宅住所まで掲載する団体の恐さに言及。さらに、船井総研の船井氏やミスタープロ野球長嶋茂雄氏など、統一教会の影響が政界以外にも広がっていると伝えています。

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統一教会が持ち上げた船井幸雄

ここに国際勝共連合発行の『週刊思想新聞』1987年3月号号外がある。大きく「暗躍する左翼弁護士」という見出しで、「スパイ防止法つぶしに狂奔」とあり、「共産党と共に『霊感商法』攻撃も」と続く。「知らないと大変!」とも言っているが、4人の弁護士が顔写真付きで挙げられている。

伊藤和夫、丸山輝久、東澤靖、そして山口広だが、ズーッと統一教会と闘い続けてきた山口については、「霊感商法被害者救済担当弁護士連絡会」の事務局長としてマスコミに登場したとし、こんな説明を加える。

「社会党議員がスパイとして暴露されたレフチェンコ事件では、社会党の弁護人もしている人物」。そして、「この山口とつながりの深い日本消費者連盟(社会党系)の機関紙『消費者リポート』では『霊感商法を撲滅することを、国家秘密法阻止運動の一環として取り組む』と露骨に協調」しているとし、「あきらかに消費者運動を装った政治的運動であることがわかります」と見当違いの非難をしている。ヘンな壺を高額で売りつけたりする「霊感商法」を批判するなというわけである。

恐いのは、各弁護士の自宅の住所を記していることで、統一教会の信者が抗議に行くよう煽っていることがわかる。オウム真理教に坂本堤弁護士一家が殺害されたが、オウムが出てきて、統一教会の狂暴さはその陰に隠れた形になってしまった。

統一教会は想像以上に各方面に刺さっている。京セラの稲盛和夫と並ぶオカルト経営の船井総研の船井幸雄、さらに長嶋茂雄等の“信者”がいるが、1933年生まれで2014年に亡くなった船井を統一教会が持ち上げ、船井は、「統一教会は、私にシンパシーを感じているみたいなんだ」と自慢していたという。

斎藤貴男は『カルト資本主義』(ちくま文庫)で、稲盛や船井を厳しく批判し、バブル経済評論家の長谷川慶太郎と同じく、かつてはマルキストだったと指摘している。長嶋の船井礼賛の声を引こう。

「うちの家内が、先生の哲学に非常に心酔しておりまして、私も本を読ませていただいていました。何とか、先生の生き方や、将来に対する対応の仕方みたいなものを野球に取り入れることができないかと考えておりました」

女性ファンが多い船井はこんなことも言っている。

「世の中を変えていくパイオニアは、せいぜい全体の2%です。こういうの(FOW=フナイ・オープン・ワールド)に来てくれる人たちがそう。新しい商品を作る時も、まずこの層に働きかけるといいですね。この層の70%は女性なんです」

西田佐知子が「泣いた女がバカなのか、だました男が悪いのか」と歌った「東京ブルース」を思い出す。

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