キラキラした同級生の姿を見てみじめになった50代に伝えたいこと

shutterstock_1682995816
 

若い頃は他人と比較してばかりいた人も年齢とともに「人は人」と気にしないようになるもの。ところが、同級生など歳が同じで育った環境も近い人がキラキラ輝いているのを見てしまうと、我が身を振り返って“みじめ”な気持ちになることもあるようです。そんな体験をした50代女性からの相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で、公認心理師の永藤さん。いい部分を切り取った他人の人生と比較して虚しくなるのではなく、これからの人生を変えていくきっかけにしてほしいとアドバイスしています。

この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ

初月無料で読む

ちょっと御相談がありまして:私は間違えたの?

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

shitumon

50代女性N子です。都内で6歳年上の夫と、大学生の息子と3人暮らしです。娘は結婚しています。

先日、テレビを見ていたら、中学時代の同級生が「秘境で地産地消の大繁盛カフェ」のオーナーとして特集されていました。彼女は高校を卒業してから地元で就職し、結婚、出産、離婚も経験し、今のご主人と知り合って、二人で力を合わせてカフェの経営を始めたそうです。

様々な苦労もあったようですが、とても生き生きしていて素敵でしたし、ご主人とも、週末手伝いに来てくれる娘さんとも、カフェのお客さんたちとも楽しそうに交流していました。化粧っ気もないし、年相応になっていましたが、とてもキラキラしていました。

私はバスが1時間に1本しかないような、「秘境」とまで言われる地元が大嫌いで、短大から東京に出て、結婚し、出産を機に退職し、ずっと専業主婦です。夫は一流企業勤務でもうすぐ定年退職を迎えます。穏やかでいい人ですし、女性関係やお金のことで苦労したことはないですが、会話はありません。息子とも仲が悪いわけではないですが、会話はありません。

彼女のテレビを見てから、なんだかとても自分がみじめで孤独な人生を送っている気がしたし、人生の選択を間違えた気がしてならないのです。だからといって今さら田舎に帰りたいわけでもないんです。自分の気持ちがよくわかりません。

【永藤より愛をこめて】

ワタクシ永藤と同じ「50代」とありますので、なんとなく同年代としてお話をさせていただきますね。

私たちが10~20代の頃は、確かに「大都会信仰」ありましたよね。バブルで世間中がブイブイ言っていたという時代背景もあいまって、地方で生まれ育った同年代の方で「高校出たら絶対都会に行ってやる!」と東京、大阪、福岡などの大都市を目指された方はとても多かったと思います。

N子さんもそうですね。都会の風を切ってハイヒールでカツカツと歩くN子さんはとてもキラキラしていたのではないでしょうか。その時は「地元に残る」なんて選択肢はなかったわけですよね。それで東京に腰を据えて、結婚し、基盤を作った。一流企業勤務の男性と結婚し、一男一女に恵まれた。そして専業主婦として50代の今まで都会で生きてきた。

それがこのメッセージから伝わる、ご本人以外の周りの人間が知りうる、N子さんです。うらやましがる人もいるでしょうね、たぶん。
「でも私にだっていろんな苦労はあったんです!」
きっとそうだと思います。ここに書かれていない大変だったことも、生きてきた年数分あると思います。

でも、N子さんはそれを乗り越えて乗り越えて、分かれ道でいろんな選択をして、今いる場所にたどり着いた。その結果が今、「みじめな人生」に見えてしまっているのは、とても残念なことだと思うのです。

この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • キラキラした同級生の姿を見てみじめになった50代に伝えたいこと
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け