日本企業を牛耳る「経団連」の中身が“老人クラブ”と揶揄される理由

Tokyo, Japan - March 20, 2019: Sign of Keidanren (Japan Business Federation) on the head office building in Tokyo, Japan, an economic organization founded in May 2002 by amalgamation of Keidanren.Tokyo, Japan - March 20, 2019: Sign of Keidanren (Japan Business Federation) on the head office building in Tokyo, Japan, an economic organization founded in May 2002 by amalgamation of Keidanren.
 

日本には上場企業の利益を代表する団体「経団連」という組織があります。その組織を「田舎のロータリークラブ」と揶揄するのは、メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさん。佐藤さんが、そのように指摘する理由と現状について詳しく語っています。

日本を支配する老人クラブ

経団連という組織が日本にはありまして、正式名称を日本経済団体連合会といいます。この組織は、日本の代表的な会社、それはつまり上場企業を指すわけですが、これらの会社の利益を代表する団体として、かつては自民党の政治家とも太いパイプを持っていて、経済に関する政策にあれこれと注文を付けていたわけです。

ところがこの団体で理事、監事となっている人の名簿を見ると、

一般社団法人 日本経済団体連合会 理事・監事

25人中、女性が二人だけなんですね。25人もいて、女性か二人だけ。しかも男性のほぼ全員が、その会社に新卒で採用されて純粋培養で育てられて出世してきた人たちなんですね。「ほぼ」と書いたのは一人だけ例外がいて、それが副会長・理事唯一の女性のDeNAの創業者南場智子氏です。それ以外の人は、全員が有名大学を卒業して、それからひたすら順調に階段を駆け上がった人ばかりで、転職経験がある人もいなければ、起業家、創業者もいないサラリーマン社長だけという、異様な均質性を持つ団体なんですね。

つまり社長とはいえ、ただのサラリーマンで、会社の創業者でもなく、株をたくさん持っているわけでもない、社内で立身出世してエラくなった「だけ」の人たちが、日本の経済政策に提言をする組織を動かしているんですね。

唐突ですが、生物には多様性というモノが必要なんだと思います。例えば、これはネズミなどの小動物も同じなんですけど、たくさん生まれた子供の中にごく一部(5%から10%くらい)、他の子供と全く違う変な子が混じるんですよ。そんな子供は異端なので、普段は爪弾きにされるというか、全く目立たないのですが、いざ環境が変化して組織に大きな危機が来た場合、その異端がリーダーになって生き残りを図ったりするんです。

ところが日本の経済を主導しているリーダーたちは、揃いも揃って金太郎飴みたいな人ばかりなんですよ。笑っちゃうことに学歴という面でも、ほとんどの人が学士でして、これは世界の常識から見たら非常に低学歴なんですよ(高卒のお前が言うなって言われそうですが、これは事実だから仕方ありません)。

海外だとCxOという人たちは、最低でも修士、多くが博士号を持っていて、下手したらダブルメジャーとか、博士プラスMBAなんて人がゴロゴロいるモノですが、日本では東大、京大を出ていたらもうこれでアガリみたいな感じになっているわけです。

そんな人たちが、自分たちの会社を守るために組織した団体が経団連なわけで、彼らは決して日本の経済に関して代表たる資格を持っている人たちではないんです。日本医師会が医者の代表ではないのと構図は近いですね。

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