2.サスティナブルは建前か?
最近、「サスティナブル」が重視されている。サスティナブルとは「持続可能な」の意味。地球の環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代まで持続可能な社会を作ることを、国連と西側諸国は目指している。
そもそもサスティナブルという概念が生れたのは、グローバリズムにより、強欲な資本主義が世界に拡大し、過剰な大量生産により資源を大量に消費し、大量の廃棄物が環境を汚染したからである。自給自足経済で自立していた国をグローバルサプライチェーンとグローバルマーケットに組み込み、現金収入のための労働者に変え、貧富の格差を拡大させたからである。自国の食糧を生産していた畑を現金収入のための商品作物に変えて、食糧を輸入に依存させたからである。
もしも、世界で生産された食糧を公平に分配すれば、世界から飢餓は消える。しかし、利益のために資源や物資、富は少数の人々に集中し、需給ギャップがつくり出されている。
本気でサスティナブルを実現するならば、需要に見合う供給を目指すことだ。必要以上の売上や利益を求めず、需要に見合ったビジネスのスケールを維持する。
小さな経済圏、生活圏の中で自立したビジネスが展開されれば、価格競争も起きず、持続可能なビジネスが展開できる。
リサイクル素材を使っても、大量生産して廃棄が増えたのでは意味がない。需要に見合った生産により、バーゲンセールをなくし、廃棄をなくすことが重要だ。
資源を守るには、安価な商品を大量に販売するのではなく、付加価値の高い商品を少量販売することを目指すべきだ。つまり、売上より利益を重視すること。
極論すれば、売上は減らすべきかもしれない。CO2を減らすとは、そういうことだ。
コスパ重視ではなく、環境パフォーマンス、資源パフォーマンス、CO2排出パフォーマンス、化石燃料パフォーマンス等を本気で優先すること。
現在は、コスパ重視だけが本音で、サスティナブルなんて建前に過ぎないと考えている人が多い。サスティナブルなんて、単なる販促のテーマに過ぎないと。だから、何も変わらないのだ。
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