竹中平蔵「五輪汚職」逮捕なしの理由に激怒。元国税が告発する日本の異常

 

日本は“天下り”無法地帯

そして天下りの場合も、「特定の便宜」ではなく「いろいろな便宜」を図ってもらうために行われるものです。天下りというのは、公的な権力を持っていた公務員などが、私企業に就職して多額の報酬をもらうわけです。その元公務員は、今でも官庁に強いパイプを持っていたりして、その私企業にいろんな利便を働くわけです。

が、天下りは現在の日本の法律では犯罪ではないのです。なぜなら、「特定の目的」のために金品の授受があったわけではないからです。

竹中平蔵氏が、世間から批判を浴びている要因の一つは「天下り」です。

竹中平蔵氏というと、ご存じのように小泉内閣の経済政策を一手に引き受けてきた政治家であり、金融担当大臣、総務大臣などを歴任しました。また総務大臣の連続在職期間はその当時の史上最長記録でもありました。総務大臣というのは、国の様々な許認可権を持っており、公的権力の中枢のような立場です。そのような政治家が、引退後すぐにパソナという人材派遣会社の最大手企業に入るということは政治倫理のかけらもないものです。

竹中平蔵氏は、政界から引退した後も、政府の諮問機関である「産業競争力会議」のメンバーとなるなど、政権運営に深く携わってきました。竹中平蔵氏は、この「産業競争力会議」において、企業の「再就職支援のための助成金の支給」を強く提言しました。よくこんな露骨な提案をしたものだと感心するほどです。この再就職支援は、もろにパソナの利益に直結するものだったからです。この助成金の多くを最終的にパソナが吸収するような構造になっていたのです。竹中平蔵氏のこの助成金提言は採用され、2014年以降、数百億円単位の予算がつけられました。

パソナというと、新型コロナでの持続化給付金の中抜き問題が記憶に新しいところですが、ずっと以前から似たような事をしていたのです。

またパソナは、東京オリンピックのスポンサーになりましたが、パソナは東京オリンピックのアルバイト派遣業務などを引き受けていました。その際、アルバイト料の多くを中抜きするなど、相変わらず、倫理に欠いたことを行っていました。

そういうことから、竹中平蔵氏やパソナも逮捕されるのではないかと噂されるようになったのです。

確かに、パソナが東京オリンピックのスポンサーになり、東京オリンピック関連業務で大儲けしたことは、国民にとっては不快な話です。だからとって、竹中平蔵氏やパソナが逮捕されるわけではありません。贈収賄の容疑はどこにもないからです。

逮捕されたAOKIやKADOKAWAは、それ以前は公的権力と密接だったわけではありません。だからこそ賄賂を渡して、東京オリンピックのスポンサーの枠を手に入れようとしたわけです。

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