なぜ、毛沢東はあれほどの悲劇を起こしたのに中国で崇拝されているのか

LIJIANG, CHINA, MARCH 8, 2012: Statue of Mao Zedong in central Lijiang. The city is famous for its UNESCO Heritage Site, the Old Town of Lijiang.
 

さて、そんな毛沢東を崇拝する習近平ですが、常軌を逸したゼロコロナ政策、瀕死の重傷患者が「緑の健康コードを提示できない」が為に病院に入れず外で亡くなってしまう。中国有数の商業都市である上海を丸ごと2か月間ロックダウンさせてしまう。「ほぼインフル」レベルのオミクロン拡大に備えて広州市に40万床の感染者施設を建設する。などちょっと中国以外の国々には理解不能な施政です。

でも誰も意見を言えない。政敵はみんな牢獄送りか閑職に追いやってしまったからです。この辺は大躍進の時と似ていますね。

文化大革命では感化された学生が「紅衛兵」を名乗り暴動を起こしましたが、今はコロナ対策実行部隊が「白衛兵」と揶揄されあちこちで問題行動が報告されています。感染者の部屋を消毒する際に吠えた飼い犬をこん棒で殴り続けて殺してしまう動画は多くの怒りを呼びました。みんな全身を覆う白い防護服を着ているので中に入っている人がどんな人なのかわからないんですね。「コロナから社会を守るため」なら何をやってもいいような風潮は「毛沢東語録」に反する思想、人々に対しては何をやってもいいと暴走した紅衛兵とそっくりです。

多分4期、5期と可能な限り権力の座に座り続けようとするでしょうが、ワンマン政権だけに大失敗をすれば責任逃れは出来ないわけで、江沢民派やトウ小平派はそれまでじっと我慢の子という感じでしょうか。

ゼロコロナ政策は自身が3期目に入るために感染拡大という汚点をつけるわけにはいかないというところから来ていて、順当に3期目に入ったら緩和されるのではと勘ぐってましたが、その共産党大会でゼロコロナ政策継続を宣言しました…がっかりです。

なんと奇跡的に会社から一時帰国の許可が出ましたので3年ぶりに日本の地を踏み、新年を日本で迎えることになりました。

景気がどん底ですが、久しぶりの日本に心が躍ってます。

だいぶ早いですが、皆さん良いお年をお迎えください!

(『出たっきり邦人【アジア編】』11月19日号より一部抜粋)

著者/Mochi(「『華南の風』中国・深セン」連載)

image by: aquatarkus / Shutterstock.com

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