中でも面白いのが、この人たちが持つ不満もありがたい、という開発ポリシーがあるそうです。確かに、商品のいいところだけを言ってくれる人より、前向きな批判をしてくれる方が、結果的にいいものに仕上がりますよね。
その上に、発信してくれるという影響力も得られますし、アンバサダーの方々も、開発から発売を、自分のコンテンツにできるので、みんながハッピーになれます。
社内だけで製品開発をすることに限界があるときに、社外の人にある程度開放して開発して、新しい価値を生み出すことを、オープンイノベーションと呼びますが、ワークマンのこの取り組みは、発信も合わせて期待できるので、新しい形のオープンイノベーションだと言えます。
商品開発は、マーケティングの第一歩になります。どうしても「うちの会社が売るもの」、「ライバルと差別化しなければ」と“うちの会社”視点になりがちです。
とんがった技術をフル活用して、他にない製品を世に出すために、ある程度仕方ない部分ですが、それだけだと、どうしても市場に理解されず、売れなかった、となりがちです。
そのためには、顧客の視点で考えること。
とは言うものの、それほど簡単ではありません。分かっているけど、どうすればいいの?というのが、現場での本音だと思います。
このワークマンの取り組みは、顧客視点への変換がしたい場合に、大いに役立つ仕組みだといえます。
アパレルやSPAのビジネスモデルの企業だけでなく、製造業や、小売業にも使えるアイディアですね。
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