なぜ農家のおばちゃん四人が「無給」で働く食堂は限界集落を“救う”のか?

Farmers of Japan celebrates good harvest
 

このお店で提供されるのは、1種類の定食と1種類のハンバーガー、ケーキセットのみ。

営業は、金曜日と土曜日の11:30~14:00。

この定食を目当てに、人びとがやって来るようになりました。

「窓の月御膳 1000円」。

メインの料理が4種類から選べ、小鉢が4つ、漬け物、味噌汁、そしてぜんざいまでついている、ちょっと豪華な定食になっています。

1種類の定食とは言うものの、4種から選べるので、実質4種類です。

そのメインは、「チキンピリ辛」「チキンかぼすタルタル」「蔵人特製コロッケ」「とりハムのネギソースかけ」。

どれもボリュームがあり、小鉢が無くても、定食として成立します。

盛りだくさんなのが、田舎流のおもてなしなのです。

誰もがお腹いっぱいになって、帰って行きます。

ハンバーガーは、「BaBaバーガー」と呼び、特製コロッケを挟んだもの。

これも400円という安さ。飲み物セットで500円。

ケーキセットは、手づくりケーキとコーヒーで300円。食事をした人は、200円で提供しています。

利益が出ないのは納得できます。

米や野菜などはすべて地元のものを使い、料理のすべてを手づくりしています。

箸袋まで手づくりしています。これは、遊び心なのでしょう。

4人全員が、楽しんでいるのがよくわかります。

この“ボランティア”が生きがいとなっているのです。

無給で働くことで安く提供でき、その結果、評判となり、人びとが集まって来るように。

飲食店の無かった集落に、ひとつの光が差し、地元の人や観光客が、美味しい時間を楽しめるようになりました。

まだまだ町おこしの入口ですが、大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか。

「無給のレストラン」ということでも話題になっているので、メディアが取り上げる頻度も高まるでしょう。

町づくり、町おこし、村おこしは容易ではありません。

しかし、地元の人びとが意気込み、真剣に、積極的に動くことが大切です。

儲けることだけを考えていては、まわりの人を巻き込んで、みんなで活動することはできません。

町のために、みんながボランティア精神を発揮することも必要なのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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