そろそろ確定申告の準備が必要になってくる時期ですよね。サラリーマンでも、16歳以上で給与収入103万円以下の生計一親族を扶養している場合であれば「扶養控除」が認められることをご存知でしたか? 今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では著者で現役税理士の今村仁さんが、知っているようで知らない扶養控除の活用法について紹介しています。
確定申告還付のツボ2
■別居している親も扶養控除の対象に
16歳以上の給与収入103万円以下の生計一親族を扶養しておられれば、最低でも38万円の扶養控除が認められます。
例えば一般生命保険料控除が最高でも4万円というのに比べると、その金額の大きさが際立ちます。
誤解が多いのですが、この扶養控除は必ずしも「同居」を要件としていません。
つまり、別居している親でも、仕送りをしているなどで生計一親族ということが言えれば、扶養控除の対象に含めることが可能です。
しかも、親の年齢が70歳以上の場合は、控除額が38万円から48万円にアップします。
ちなみに、この扶養控除は原則「年末時点」で判定するので、「結婚」や「出産」が年内であると、1年間分の扶養控除を受けることが出来ます(逆にいうと、「離婚」は年明けがベターかもしれません)。
■扶養控除の上手な活用法
では、この扶養控除の上手な活用方法とはどういったものでしょうか。
個人の所得税で大事なポイントは、その構造が「超過累進税率」となっている点です。
超過累進税率では、所得が上がれば上がるほど税率が上がっていきます。
また、単なる累進税率ではなく「超過」累進税率となっているので、所得が上がったときにその全体の税率が一気に上がるのではなく、徐々に上昇するように手当されています。
所得が上がるほど税率が上がるのであれば、単純には、家族の中で所得の高い人が扶養控除を受けるのが節税となります。
税率10%の人と30%の人では、同じ扶養控除38万円でもその重みが違うのです。
具体的には、「38万円×10%=3.8万円」及び「38万円×30%=11.4万円」となり、その差11.4万円-3.8万円=7.6万円の税額の違いにもなります。
親子3世代で暮らしている方もおられるでしょうが、その場合、その中で一番所得の高い人が、子どもなどを扶養に入れるのがいいでしょう。