現役医師が検証。チーズなどの乳製品を食べると「癌リスクが上がる」は本当か?

 

研究チームは東アフリカのスーダンとケニアで発見された2,000~6,000年前の人骨を対象に、硬化した歯石を調査してミルクを摂取していたかどうかを分析したとのことです。

おそらくチーズやヨーグルトにして摂取していたようです。

チーズやヨーグルトを摂取して、寿命が短くなったという話もないので和田仮説は無視して良いと思います。

「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」は、活性酸素を発生させて、「酸化ストレスリスク」となります。

酸化ストレスは、癌・糖尿病合併症・動脈硬化・老化・アルツハイマー病・パーキンソン病などの元凶です。

「食後血糖値の上昇」と「高インスリン血症」を防ぐことができる食事療法は「糖質制限食」だけです。

従って、糖質制限食実践により、癌・糖尿病合併症・動脈硬化・老化・アルツハイマー病・パーキンソン病などの予防が期待できると思います。

最後に、乳製品とがんについてのエビデンスは、以下が参考になります。

乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について 国立がん研究センター 多目的コホート研究(JPHC Study)

乳製品をよく摂取するグループで前立腺がんになりやすい

今回の研究では、乳製品をたくさん摂取すると前立腺がんのリスクが高くなりましたが、一方、乳製品の摂取が、骨粗鬆症、高血圧、大腸がんといった疾患に予防的であるという報告も多くあります。

したがって、乳製品の摂取を控えた方がいいかについては、総合的な判断が必要であり、現時点では結論を出すことはできません。

今後、乳製品の利益と不利益のバランスを明らかにするような研究が期待されます。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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