2.私の昔の顧問先にもいました。50代の男性経営者です。業種は印刷業。何年も業績不振で、銀行にはリスケを申し入れ、自分の役員報酬も月額20万円以下に引き下げ、生活水準をぎりぎりまで引き下げていました。
にもかかわらず(いや、そんな現状を打破するためでしょう)、彼は、国立S大学の社会人コースを受験。合格し、入学しました。
彼の会社はその後、廃業を余儀なくされましたが、その後心機一転。全く違った切り口で、印刷の新分野を開拓することができ、新会社で成功しました。奥さんとお子さんがいる方です。
3.大学ではありませんが、「資格」で印象深い方もいました。10年以上前に一度だけ相談を受けた方ですが、サラリーマンを辞めて人材派遣会社を設立したもののうまくいかず、3年で倒産させてしまった方でした。
倒産後は警備員の仕事に就き(独身でした)、少なくとも5-6年は警備員を続けながら、空いた時間に税理士試験の勉強をしていました。税理士試験は大変な難関ですが、科目合格制です。彼は「1年に2科目」を目標に頑張りました。結果、5-6年後だったと思いますが、全科目合格しました。現在は出身地に戻って税理士をされています(再婚もできたようで、めでたしめでたし)。
「学び直し」は、まだ子供が小さいうちは大変だと思いますが、それでも、うちの母のように、やればできると思います(但し共同生活を営んでいる家族の理解が不可欠ですね)。
学び直しは、精神面で間違いなく自信になりますし、現実面でも、キャリアアップのチャンス、発想転換によるビジネスチャンス、良質な友人ができることによる出会いのチャンスなど、さまざまな機会が得られると思います。だから私は肯定的意見です(少子化対策とは相反するかもしれませんが…)。
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