ユダヤ人に学べ。混乱の中でも長く続けられるビジネスの秘訣とは

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困っている人の探し方と長期的に得をするもの

今日は、ぜひお時間のあるときにやってほしいことが2つあって。

この困らない人っていうのを考えたときに、大事なフレームワークっていうのが、自分が困らない立場になったときに、「困っている人をどうやって探すか?」っていうことなんですよね。

困ると、自分の一時的な困りごと、ここに目がいっちゃうわけですよね。でももっと本質的に大事なのは、自分の周りにいる人で、困っていることで、永遠に戻ってこれない位に損失を受けてしまう(Eternal Loss)位、もう死んじゃうくらい困っちゃう人、これを見つけることが大事なんですよね。

そうすると、この人たちは自分たちが助かるんだったら、感謝して彼らの長期的に得をするものを手放してくれるわけです。

一方で、僕らはこの人達に対して、短期的にお金だったり足りないものを提供することで、プラス感謝がやってくる、っていうことなんですよね。

じゃあこの、長期的に得をするものっていうのが、具体的に何なんだっていうLTV(Lifetime Value)で考えたときのメリット、をちゃんと考えるっていうことが大事なんですね。

例えば、分かりやすく言うと、いま堀江(貴文)さんとか西野(亮廣)さんとかって、YouTubeの動画をいっぱいあげてるじゃないですか。そういった時に、外国人向けに、日本に来てください、みたいなナビゲートをしている人達っていうのは、いま(コロナで)外国人が日本に来られなくなっているから死んじゃうくらい大変なわけです。

彼らに、いま外国人が来たときにナビゲートするためのYouTube動画をつくりませんか?みたいなことを持ちかけたら、本来であれば「じゃあ、それってRevenue shareですよね?」っていう話だったりとか、「何であなたとそれをやらなきゃいけないんですか?それって全部私でもできますよね?」とか、「いやいや、ナビゲートしている方が儲かるんで。わざわざ動画をためる意味って分からないんですよね」って言われるかもしれないわけですよね。

でも今って、海外から観光客の方が来られないから、海外の方向けにナビゲートする人たちっていうのは死んじゃうくらい困っているわけですよね。だったら、本当はこれRevenue shareとして、この後ずっと売上げを半分相手に渡さないといけないところを、「いやお困りでしょうから、この動画一本○○万円で買い取ってあげますよ」っていうと、その後長期間儲けることができるYouTube動画、だったりとか、普通だったら付き合ってくれないパートナーみたいな人達が自分たちと付き合ってくれて、それに対して短期にお金を提供することで、彼らからは感謝される、ってことなんですよね。

ちなみに、日本語でこういうことを言い現わす素敵な言葉があって。「焼け太り」と言います。健全な焼け太り、感謝される焼け太り、これを考えていくっていうことが、ユダヤの商人の凄さなんだなと思って。

ぜひこの健全な焼け太りにはどういうものがあるか、それは、考えるとして、その上で、

・自分よりもより困っている人、死んじゃうくらい困っている人がいま周りに誰がいらっしゃるか?
・その人と、普通だったらやって下さらない、長期に儲けられることっていうのが何があるか?

この2つを考えてみることによって、感謝されながら、新しいものをつくれるし、ひいては、僕たちオンラインコミュニティっていうお互いが困らない仕組みをつくったときに、困った人を助けながら、僕たちが持続的に何か新しいことができるんじゃないかな、って思ってます。

というわけで、健全な焼け太りと、困らないことっていうのが、混乱の時に大事なこと、っていう解説でした。では。

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IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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