「瞬時に会計」が可能に。はかりメーカー寺岡精工が覆した“量り売り”の概念

 

“はかり”が店員の負担軽減に繋がる?

思えば、寺岡精工という会社は実は“はかり”から始まっています。その“はかり”を通して目指す世界とは何かを聞きました。

すると、セルフレジだと言います。つまり、お客様が自ら商品を“はかり”にかけて買い物を自動化する。そうすれば店員の負担が軽減し、生産性を高められます。

だから、はかりは形を変えて、こんな製品にもなっていきます。

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レジ台に青果を置くだけで置いたものが何かを特定します。

ちょっとわかりづらいかもしれませんが、モニターに、にんじん、バナナなどと書いてあります。その間数秒です。

あとは、該当する青果のレシートを出してくれます。要は、モニターのすぐ左下にカメラがついていて、AIにより色と形でどの青果なのかを割り出せます。それをレジに応用して、瞬時に会計が済ませられるようにしたわけです。

持ち味を活かし、スーパーの課題解決まで

そこから派生して、スーパーなどの課題解決にまで彼らの技術は及ぶことになります。彼らが着目したのは、よくスーパーで「10%OFF」「20%OFF」「半額」などのシールです。

これは時間を経てその商品価値と共に、「10%OFF」となり、しばらく経ってその上に「20%OFF」という具合に、店員が上から貼っているわけです。でも、その度に店員が駆り出されます。

だから寺岡精工は時間によって異なるマークをつけたシールに貼る着想をするのです。

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つまり、そのマーク自体がどのタイミングで作られたものなのかの証となって、バックヤードで連携しています。だからどのマークの商品がその時間において、「何割引されているのか」が適切に割り出せますので、それを商品横にタイムリーにディスプレイで表示するのです。

これもお客様の方でそのルールを理解してもらうことで、圧倒的な工数削減になるということなんですよね。これも標準化ということなのではないでしょうか。

改めて気付かされたのは、以前よりもテクノロジーの進化で、お客様にできることが増えているということです。それは実は、不思議とお客様の利便性を高める。つまり、店員の負担が軽減され、それが店の利便性を高めていくのです。

だから、逆に、お店はお客様の協力によって、その運営を生産性の高いものに変えていくべきだという結論に辿り着きました。そうやって、店自体のファンを作っていくことが大事なのでしょうね。

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