「瞬時に会計」が可能に。はかりメーカー寺岡精工が覆した“量り売り”の概念

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とある方式を採用した世界初となる「はかり」で、大きな注目を集めている日本企業をご存知でしょうか。今回のメルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』では、Webメディア『ECのミカタ』元編集長で株式会社「team145」代表取締役石郷学さんが、寺岡精工が開発した「はかり」の概念を覆す製品を紹介。さらに同社の生み出す技術が、小売の現場で「革命」を起こす理由を解説しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2023年2月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

寺岡精工「はかり」の概念を覆しリアル店に革命を。マイナスをプラスに変える柔軟発想

マイナスをプラスに変える柔軟発想

皆さんは“量り売り”というとどういうイメージを描きますか。商品を乗せて重量を測り…、というのが常識ですよね。

でも寺岡精工は逆転の発想を見せました。一言で言うと、マイナスは見方を変えるとプラスに変わる。つまり、量り売りの時、もとの食材の重量から「お客様が取り分けた分の重さ」を“引く”ことでその“量り方”の概念を製品で変えたのです。(よろしければ 動画 も撮ってみたので、そちらのほうが伝わるかも)。

例えば、お惣菜売り場では、いくつかの食材が並んでいますよね。ここに量り売りの機械があります。この機械の上にはもう既にその食材が乗っているのですが、予めこの機械で「100g幾ら」なのかを設定しておきます。

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するとこの機械では取り分けた前と後での重量の差を割り出します。つまり、その数字こそ食材の減少分の重量で、それがイコールお客様の取った分量となります。

そこで、NFCカードを使うんですよね。ピッとかざすと「取った分量」が記憶されます。

何気ないことです。でも、はかりというのは重さを測るもの。こういう概念は存在しないので、製品化にあたっても、計量法に基づき、型式承認というのが必要だったと言います。何より、そこに苦心したというのです。

さて、そうやって量ったら、レジ付近にいきます。ここには、プリンターコンソールという別の機械があるから、さきほどの「NFCカード」でタッチする。そうすると、ディスプレイには明細が表示され、どれだけ取ったのかと金額の関係性が映し出されます。

自動的にシールが出てくるのでそこに印刷されたQRコードを読み取ったら、会計完了です。

この変革がもたらす現場の変貌

肝心なのが、現場にどんな変化をもたらすのかですよね。実は、それ自体がエコにつながり、小売店の現場での作業量も軽減してくれます。

例えば、従来のように重さでそれを量るとします。そうすればその食材ごとに量る必要があるから、お客様側で、取り皿を別々に用意しなければなりません。でも、このように減った量を計算してくれるのであれば、お客様が手にするのは、プレート一枚だけで良い。それどころか、お客様が持参するお弁当箱で良いわけです。

お店は容器すら必要がないし、廃棄も生まれないから、エコになると書いたわけです。

それだけではありません。例えばデバ地下などで、店員はお客様からの要望を受け、食材を取って、はかりにかける姿を見かけるでしょう。

当然、手間がかかるから、大抵、行列ができているのが常。けれどこれを使えば、各々お客様が自分でそれを取ってもらえばいいのです。

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