集中監視は有事の際の除去を前提とする。カギは、1次攻撃を通じて核報復能力を無くしながらも、付随的被害を最小限に抑えることだ。従来の戦略核弾頭ではこれを達成することは難しかった。精度は落ち、爆発力と放射能の落塵被害が甚大であるためだ。これが対北朝鮮軍事行動の決心を躊躇させる最大の障害だった。
最新型低威力核弾頭(戦術核)がこの問題を解決した。2020年に実戦配備されたSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)用弾頭W76-2が代表的だ。要塞化された地下施設を確実に破壊しながらも、打撃が可能だ。米オハイオ級潜水艦14隻がこの兵器を積んでいる。韓米外交・国防関係者が22日に記念撮影をしたウェストバージニア艦がその一つだ。
米国の潜在的な打撃対象には、金正恩をはじめとする戦争指揮部が含まれている。情報筋は「金正恩をストーキングレベルで見守る」と話した。北朝鮮が昨年9月、金正恩ら指揮部が攻撃を受けた場合、自動的に核攻撃を加えるという内容の法を採択したのも偶然ではない。
首領の安全を心配するほどの深刻な兆候を感知したという意味だ。北朝鮮が恐れる米国の軍事技術的優位は、低威力核弾頭(戦術核)と偵察衛星だけだろうか。米国の「金正恩政権終末」云々は、空言ではない。(朝鮮日報ベース)
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image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト
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