本人困惑。小野寺元防衛相「広島サミット後の6月解散総選挙」発言の真偽

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4勝1敗という結果だけを見れば自民党が勝ち切った形となったものの、内容的に「圧勝」とは行かなかった衆参両院の補欠選挙。そんな中にあって、小野寺五典元防衛相の「広島サミット後の6月解散総選挙」という発言が話題となっています。岸田首相は選挙翌日の会見で「いま解散総選挙については考えていない」と明言しましたが、はたして事の真相はどこにあるのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、ラジオ番組に出演した小野寺氏と番組ホストとの「解散総選挙発言」に関するやり取りを紹介。その上で、小野寺氏の番組内コメントの意図を考察しています。

小野寺五典議員「6月の解散総選挙」の真偽

4月23日(日)、統一地方選後半戦の294市議選と衆参5補欠選の投開票が行なわれ、翌24日までに無投票当選を含めて6,635人すべての当選が確定しました。で、いつもであれば、政党別の獲得議席数を挙げ、前回2019年との増減なども比較するところです。また、初の統一地方選で候補者の約6割に当たる47人が当選を果たした「れいわ新選組」の大健闘なども書きまくりたいのですが、あまりにも具材が多すぎて、この「前口上」のキャパでは書ききれません。

そこで今回は、岸田政権の中間評価と位置づけられ、解散総選挙の時期を予測する上でも大きな意味を持つ、衆参5補欠選だけに絞って書いて行こうと思います。まずは結果ですが、すでに皆さんご存知の通り、自民党が4勝1敗と勝ち越し、立憲民主党は3戦全敗の3タテを食らいました。

勝った自民党候補は、衆院の千葉5区の英利(えり)アルフィヤ氏(34)、山口2区の岸信千世氏(31)、山口4区の吉田真次氏(38)、参院の大分選挙区の白坂亜紀氏(56)の4人です。自民党が唯一負けてしまったのが、自民党の地盤である和歌山1区で、ここでは日本維新の会の林佑美氏(41)が勝ちました。

日本維新の会は、前半戦の奈良知事選に続き、後半戦でも和歌山で議席を手に入れ、全国政党への野望をまた一歩、進めたわけです。しかし、和歌山で負けた自民党も、革新の地盤である参院の大分選挙区で、立憲民主党の吉田忠智氏(67)をわずか341票という僅差で破り、初当選を果たしました。

それも、野党が分裂したのではなく、今回の大分選挙区は事実上の野党共闘だったのです。革新の地盤で野党共闘が実現したのに、僅差とは言え、社民党の元党首が、銀座の元ママさんに負けたのです。これは自民党の「大金星」と言うよりも、立憲民主党への支持や期待が急激に薄れつつある状況であることを表わしていると思います。

また、自民が勝った衆院の千葉5区を見ると、当選した英利アルフィヤ氏は50,578票、2位の立民の矢崎堅太郎氏は45,635票、3位の国民の岡野純子氏は24,842票、4位の維新の岸野智康氏は22,952票、5位の共産の斉藤和子氏は12,360票なのです。立民の矢崎氏は5,000票弱の差で負けたのですから、立民は国民と共闘しても共産と共闘しても勝てたのです。

そもそもの話、今回の千葉5区の補選は、自民党の衆議院議員だった薗浦健太郎氏が「政治とカネ」の問題で辞職したから行なわれたのに、その後釜にまた自民党の候補者が当選するなんて、普通は考えられません。結局は、野党にめっちゃ有利な選挙なのに、野党が分裂して墓穴を掘ったということです。ま、前回を15.8ポイントも下回る38.2%という低すぎる投票率を見れば、多くの有権者が「カネに汚い自民も、まとまりのない野党も、どっちも期待できない」と思ったことが容易に想像できます。

そんな悲喜こもごもが飛び交った今回の衆参5補欠選で、衆院の千葉5区と山口4区、そして参院の大分選挙区に公認候補を擁立し、3タテの全敗を食らった立民の岡田克也幹事長は、24日未明、記者団に向かって次のように述べました。

「特に足らなかったところは思い当たらない。非常にいい戦いができていた。あとは自力の問題かもしれない」

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