効き目のありそうな「医薬部外品」の化粧品が増えている裏事情
クリームなどのスキンケア化粧品は、一般品の他に「医薬品」「医薬部外品=薬用」といった種別があります。
これらのスキンケア化粧品はすべて「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」に基づいた内容・成分でなければなりません。
ちなみに、健康食品などのサプリメントや健康・美容器具などについても「薬機法」で規制されています。
「医薬品」は病気などの疾患の治療を目的とした「薬」です。
厚労省から有効成分の効果が認められた配合成分が主体です。
医師が処方したり、ドラッグストアで販売されるOTC医薬品 と呼ばれる市販薬などがあります。
保湿に有効な白色ワセリン、高濃度尿素、ヘパリン物質などが皮膚用の医薬品の成分として知られています。
「医薬部外品=薬用」とは、厚生労働省の許可した効果・効能が認められた成分が、一定の濃度で配合されたものです。
「治療」にまでは至らず、「衛生や防止」が主目的になります。
「にきびを防ぐ」「肌荒れ防止」「荒れ性対策」「皮膚の殺菌」「日焼けによるシミ・そばかすの防止」といった有効成分の効能効果を訴求出来ます。
なお、一般の化粧品は、薬機法によって配合量の多いもの順に「全成分表示」が原則になっています。
つまり、一般の化粧品は、成分表示をすべて記載しなければならないのです。消費者が自ら調べて、アレルゲン物質が含まれていないか判断して、肌トラブルを避けられるようにしているからです。
もちろん、医薬品の場合も、有効成分と分量、添加物すべての成分の表示義務があります。これは医師が処方する際の判断材料とするためです。
ただし、医薬部外品の場合は、指定有効成分のみの表示でよいとされています。
このようにスキンケア化粧品は、「医薬品」「医薬部外品」「一般化粧品」と、3種に分かれますが、だからといって、これらの製造原価に大差があるわけでもないのです。
開発・製造時の取り扱いメーカー自体に法的な制約が種々あるだけです。
ゆえに、近年では、化粧品の差別化を図るべく、「医薬部外品」の化粧品が増えています。そのほうが、効き目がありそうにも見えるからです。
そのため医薬品受託製造(CDMO)企業に対してOEMでの開発・製造を委託する化粧品メーカーも近年は多くなっているのです。
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