よくよく考えれば判る「有効成分の浸透性」のイカサマ
ところで、そんな化粧品ですが、はたして美白や肌質向上の効果などは、本当にあるのでしょうか。
実は、化粧品は「肌に有害」という指摘さえあるのです。
肌に異物を付着させるメイクアップ化粧品だけでなく、スキンケア化粧品においてもしかりなのです。
肌にベタベタと異物を塗り込むのですから、さもありなん──という話でしょう。
そもそも、肌は弱酸性(ph値4.5~6.5)の状態を保っています。ゆえに、ほとんどの化粧品は弱酸性です。
一部の石鹸やふき取り化粧水に、弱アルカリ性のもの があるだけです。
弱アルカリ性のものでも、肌は、じきに弱酸性に戻るのでさほど心配はないようですが、使い方次第で逆効果もあるでしょう。
さてさて、医薬部外品の薬用化粧品などは、有効成分の浸透性をよくアピールしますが、本当のことなのでしょうか。
そもそも皮膚は「排泄器官」です。汗や古い角質などを外部に排出しています。
つまり、外部からの水や水溶液、細菌やウィルスなどの侵入は、皮膚表面の「表皮」でブロックされる仕組みになっているのです。
これは、表皮に存在するランゲルハンス細胞が異物を察知し、免疫細胞に指令を出して異物を排出し、肌を守るシステムがあることを意味します。
また、ランゲルハンス細胞が、紫外線や乾燥に皮膚が過剰反応して炎症するのを防ぐべく、細胞反応を鎮静化させる働きも同時にあるとされているのです。
皮膚の構造は、一番外側の角質層を含む「表皮(厚さ0.12ミリ)」と、毛細血管が通り、コラーゲンやエラスチン、繊維芽細胞、アルロン酸などを含んだ「真皮(同1.8ミリ)」、そしてその奥の「皮下組織(同0.08ミリ)から成り立っています。
これらの層を突破して、外部から体内への「経皮吸収」をさせるためには、本来かなり小さな分子レベルでなければ無理なのです(経皮吸収されると血管などに入り込んで「経皮毒」となり、有害で危険といわれます)。
通常の化粧品にそんな浸透力はないのです。
つまり、化粧品は、肌の表面に留まって単に水分で潤いを保たせるため、水分の蒸発を防ぐ油分と混ぜ合わせた「水溶液」を肌に塗りたくっているだけのもの──に他ならないわけです。
免疫美容の見地からは、皮膚表面に弱酸性の水溶液を塗りたくっていると、弱酸性が過剰ゆえに、弱酸性を保つための汗などの分泌が抑制され、かえって乾燥肌などの皮膚トラブルにつながる──という指摘まであるのです。
いずれにせよ、たかだか化粧品に、大きな期待をもつことは、ナンセンスです。
水と油を混ぜ合わせるための、石油系の合成界面活性剤は、肌に有害という指摘も数多くあるからです。
皮膚トラブルに遭わないためにも、一般化粧品や薬用化粧品を使う時には、どんな怖い成分が入っているのかも、自身でよくチェックしたうえで、パッチテストも併用し、慎重に使い始めるのがよいでしょう。 過剰な期待 は無意味だからです。
ともあれ、高額で高級な化粧品には騙されないようにしたいものです。
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