プリゴジン、プーチンは【完全な下衆野郎】!
そんなプリゴジン、最近ついに【プーチン自身】を非難するようになってきました。以下の映像は、ドイツの国際放送DWのニュースです。
● Пригожин против Путина и Шойгу: кого основатель ЧВК считает “дедушкой” и “му**ком”. DW Новости
https://www.youtube.com/watch?v=VYimjrLQc8U
この5分30秒頃からプリゴジンの発言が流れます。何をいっているのか?
<国をどうするのだ?俺たちの未来の子供たちや孫たちをどうするのだ?どうやって、戦争に勝つんだ?もし、たまたま、私はただ仮定するだけだが、このじいさんが、【 完全な下衆野郎 】だったら。>
プリゴジンは、プーチンのことを「じいさん」と呼んでいます。そして、「【 完全な下衆野郎 】だったらどうするんだ」といっています。この【 完全な下衆野郎 】という部分、ロシア語では、「ザコンチェンニー ムダック!」と呼んでいます。
これ【 完全な下衆野郎 】と訳していますが、本当は、この訳で「正確」とは言えないんです。私は、28年のモスクワ生活で、一度も言ったことも言われたこともない言葉です。日本語には存在しないほど、ひどい言葉だからです。
プーチンは、プリゴジンのこの言葉を聞いたら、きっと大いに激怒することでしょう。
ロシアの勢力図を見ると、自由、民主主義、人権、言論の自由などを重視するナワリヌイなどリベラル派は壊滅状態です。戦争推進派がロシアを支配している。
しかし、これまでプーチンを支持していた戦争推進派が、幻滅しています。それは、プーチンが、ウクライナに勝てないからです。そして、プーチンに愛想をつかした極右勢力が、最前線で勇敢に戦うプリゴジンを支持するようになっています。
ただ、そんなプリゴジンも、ロシアの現システムの中にいる。プーチンを直接罵倒した彼は、これからどうなっていくのでしょうか?
「ワグネル」は、バフムトで唯一まともに戦っている勢力なので、今はお咎めなしかもしれません。しかし、戦争が終われば、プリゴジンは粛清対象になるでしょう。
ですが、「その前にプーチンが失脚する」という可能性もかなりあります。モスクワからは、プーチンと、実質ナンバー2パトルシェフ安全保障会議書記が「対立している」という声が聞こえてきます。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年5月11日号より一部抜粋)
image by: Harold Escalona/Shutterstock.com
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