あまりにも幼稚。リヒテンシュタインの例を持ち出す皇位継承有識者会議の不誠実

 

有識者会議座長のあまりにも凄まじい幼稚さと不誠実さ

さらに付け加えておくと、リヒテンシュタインの場合、憲法上の職務と公務に従事しているのは、公爵夫妻と公太子夫妻の4名のみ。

そもそも人口3万9,000人、政府は首相・副首相・大臣×3の5人、国会議員は25人の直接民主制という規模の国である(ちなみに解散した軍隊は、総勢80人だった)。

有識者会議は、「女性皇族は一般国民と結婚して、皇室から出て行っても、皇族の身分だけは保持させて公務をやってもらおう」というデタラメ案のためにリヒテンシュタインを取り上げたわけだが、日本の皇室と自由度の高すぎるリヒテンシュタイン家とでは、なにからなにまで違いがありすぎ!

実情も文化も背景もまったく違う上に、現状、数十人の継承者を有する国の制度を、言葉だけつまんで、すでに存続危機に陥っている日本の数人の皇族方に無理やり当てはめてなんとかしようというわけだ。

この幼稚さ、不誠実さ、あまりにも凄まじい。

(『小林よしのりライジング』2023年5月16日号より一部抜粋・文中敬称略)

gs2022

2023年5月16日号の小林よしのりさんコラムは「マウントを取りたいだけの男系派」。ご興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ

購読はこちら

image by: Sriya Pixels / Shutterstock.com

小林よしのりこの著者の記事一覧

『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、新たな表現に挑戦! 気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお届けします!

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 小林よしのりライジング 』

【著者】 小林よしのり 【月額】 ¥550/月(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4火曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • あまりにも幼稚。リヒテンシュタインの例を持ち出す皇位継承有識者会議の不誠実
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け