原材料の値上げで「三重苦」の窮地に立たされる小売店の未来はどうなるのか?

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3.取り扱いブランドを変える

次に「値上がり前に、商品を仕入れる」という手があります。メーカーさんは、商品を値上げするとき、品番を変えることが多いです。そうした場合は、古い品番の商品を多く仕入れます。しかも、安い価格で。そうすれば、利益が上がります。

それでも、値上げに納得できなければ、次の手を使ってはどうでしょう。それが「取り扱いブランドを変える」という方法です。

値上げによって、自店で売りたい価格帯より高くなってしまったとします。今まで扱っていなかったブランドに、その価格帯の商品はないでしょうか。

そんなブランドがあれば、今までのブランドから乗り換えてみるのも一つの手です。決して、強力なブランドだけに頼る必要はありません。

そして、「弱小ブランドに力を入れる」のも手です。どんな競技にも、3番手、4番手のブランドがあります。この機会に、3番手、4番手のブランドに力を入れるのです。そうしたブランドならば、仕入価格の交渉もしやすいでしょう。当然、利益も取りやすいです。

メーカーさんの方も、自社ブランドを一生懸命売ってくれる店に、力を入れてくれるに違いありません。そうすれば、現在取り扱っているメーカーさんの値上げに困らなくても済むではありませんか。

つまり、扱っていなかったブランド、力を入れていなかったブランドの商品を売ることで、「値上げ」の問題は解決できそうです。さまざまな知恵を出していきましょう。

さて、次の「苦労」は、「品切れと納期遅れ」です。次回も、解決方法を考えてみます。

■今日のツボ■

・小売店の三重苦は、「値上げ」「品切れ・納期遅れ」「卸掛率」である
・値上げは、小売店にとってのチャンスとしてとらえる
・弱小ブランドに力を入れてみるのも、良い手である

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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