トラブル続出もマイナンバーカード導入を“ゴリ押し”する日本政府の恐ろしい最終目的

 

政治献金の100倍以上のキックバック。日本をダメにした大企業

消費税もしかりでした。89年に3%で導入して、今や10%です。

おまけに、経団連は2025年までに消費税を19%まで上げ、大企業は特別減税のオンパレードでロクに払ってもいない法人税をさらに引き下げろ──という虫のよい提言を行ってきています。自民党のスポンサーである経団連からの「提言」はたいてい実現します。「提言」というより「指図」に他ならないからです。

大企業は、これまでアベクロ・コンビによる日銀の大規模異次元緩和で円安に誘導してもらい、円ベースでの輸出売り上げを増やし(数量ベースでは増えていない)、「輸出戻し税」で消費税率を上げてもらうたびに儲けました(輸出品に消費税はかからないので、国内仕入れでの値引き要求で実際は払ってもいない下請けへの消費税分相当額が還付される。2022年3月期の輸出還付金合計は6兆円なので、消費税収26兆円の4分の1が国庫ではなく大企業の懐に転がり込んでいる)。

そのうえ政府の非正規雇用の拡大政策で、人件費圧縮にも成功し、これまで過去最高益を毎年のように叩き出すといった、株主向けの演出もさせてもらってきたわけです。

もっとも、30年間賃金を出し渋ってきたために、OECD加盟34ヵ国の中でも平均賃金は、日本だけが下がり続け、2021年には29位にまで転落し、低賃金・奴隷労働の外国人技能実習生さえもが集まらなくなってきています。

とまあ、いずれにしろ、これまで大企業は、内部留保をこれでもか──とばかりにGDPの500兆円台に匹敵するほど積み上げてくることが出来ました。労働者の犠牲の上にですが…。

毎年数十億円程度の自民党への政治献金だけで、あとから数千億円単位の、つまりは100倍以上の莫大な収益キックバックを手にしてきたのが、日本の大企業の実態だったのです。

しかし、こうした甘えの構造は、日本国の衰退を今まで以上に促進することでしょう。自分の首を自分で締め付けてきたのが、日本の大企業だったからです。

中共の人民監視政策を踏襲するかのようなマイナカード政策

とまれ、そのうちマイナンバーカードには、すべての預金口座の残高や不動産の登記情報、過去の病歴までも含めた医療情報、学歴や職歴、勤務先や戸籍の情報、犯歴や家族構成に加え、顔認証や遺伝情報といった超極秘の個人情報との「紐付け」さえもが視野に入ってくるはずです。

しかし、こうした様々な情報の紐づけは、カモフラージュにすぎません。本当の狙いは別にあるからです。

政府・財務省が本当に望んでいる「情報」は、国民の「すべての預貯金口座情報」と「すべての不動産登記情報」でしょう。

これを握れば、簡単に徴税が出来るからです。国民資産の透明性こそが、財務省の真の狙いだからです。

こうした国民の資産情報をつねに把握しておけば、政府は国民の財産への「資産課税」がいつでもやれるようになります。

なお、国民の多重情報を一元管理しようとするのは、国民のプライバシーを丸裸にしていくわけで、中国共産党の人民監視政策を踏襲するような路線なのです。

なぜ国民は大声で反対しないのでしょうか。

ところで、マイナンバーカードの健康保険証としての活用は、すでに2021年10月から始まっていますが、現状では使えない医療機関だらけです(読み込み機器導入医療機関はいまだ6割程度)。

カードの読み取り機器の導入コストや毎月数千円かかる保守管理費、数年ごとの機器更新の費用負担もあり、肝心の医療関係者の7割がオンライン資格確認(健保の利用資格のチェック)に反対しており、全国保険医団体連合会も、会長名でオンライン資格確認の義務化に反対を表明しています。

なぜ政府は、性急に事を進めようとしているのでしょうか。

実は、2024年の新紙幣発行(改札)とも大いに関係がある──とする穿(うが)った見方も多いのです。

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