3.利益を上げる方法
どの問屋さんも、いくつかの自社オリジナル商品や、オリジナルブランドを持っています。小売店さんは、それらの商品の販売に力を入れることです。そうすれば、小売店さんの粗利益は増えます。
問屋さんのオリジナル商品は、メーカーさんの商品と同じ位置づけです。これらの商品を仕入れることとは、メーカーさんから直接仕入れることと同じになります。当然、高い粗利益が得られます。
これらの商品を販売すれば、たとえ他の商品の卸掛率アップを申し込まれても、取引全体の卸掛率上昇を薄める効果があります。つまり、仕入掛率の低い商品を探して販売することで、粗利益が上がるのです。
では、もう一つの「営業利益」を上げるには、どうしたら良いでしょう。
営業利益の算式は、「営業利益=粗利益-販管費」でした。ここから分かることは、粗利益を増やせなくても、販管費を少なく出来れば、営業利益が増えるということです。
その販管費を少なくするには、どうしたらいいでしょう。ご存知のように、販管費は人件費と一般管理費から成っています。お店の損益計算書を見てください。経費項目が30以上並んでいます。
その中で、金額を減らせるものはありませんか。もしも減らせるものがあれば、減らす努力をしましょう。人件費とて、例外ではありません。どうしても、現状の人数が必要なのか、よく考えてください。いずれにしても、販管費が減ることで、営業利益が増えます。
いかがでしょうか。以上、卸掛率の上昇に対する方法として、3つのことを考えました。
自店の利益構造を見直すことで、粗利益や営業利益の確保をする方法を考える、ということです。どうか自店でできることはないか、よく検討して下さい。
さて、3回にわたって、小売店さんの三重苦について取り上げました。しかし、これらの問題は必ずしも「苦」ではありません。うまく対応することで「チャンス」にもなります。ぜひ頑張って対策を実行していきましょう。
■今日のツボ■
- 問屋さんの卸掛率引き上げの申し入れに、対応する方法はある
- それは、粗利益と営業利益を上げる方法を考えることである
- 粗利益の高い商品を仕入れ、販管費の見直しをすると良い
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