元お天気お姉さんが伝授。真夏前から始めるべき「汗をかく練習」

 

1994年、全国3ヵ所で最高気温が40℃を超え、東京の8月の月平気温28.9℃は当時の最高記録(現在は6位)で、「観測開始以来の猛暑」と呼ばれました。民間の気象会社の調べでは、ビールの売り上げが前年比+20.9%増で史上最高を記録。ミネラルウォーターは同62.8%で品薄状態に。また、暑さで蚊やゴキブリが増え殺虫剤も20.0%増え、スイカが売れに売れて品薄になりました。

94年の夏は、気象予報士第1回目の試験が行われ、私が第一号になった時です!本当にあの日も暑くて、試験会場が東大の安田講堂だったのですが、冷房が壊れていて、配られた計算用紙で汗を拭ったほどです。あんなに人前で汗をかいたのは初めてというくらいの酷暑でした。

いずれにせよ、ペルー沖で発生するエルニーニョ現象が日本に間接的に影響を及ぼすのに対し、ダイポールモード現象は直接的。日本の夏を支配する太平洋高気圧を強める大きな要因です。西インド洋熱帯域の海面水温が高くなると上昇気流が北に移動して、今度は下降気流となり太平洋高気圧を強めるのです。

おそらく7月下旬~8月の中旬くらいまでが酷暑のピークとなると思われますので、熱中症予防のために、今から「汗をかく練習」をしておいてください。具体的には、2時間程度、冷房を我慢して汗をかく。暑さに耐えることで効率的に汗がかけるように汗腺が鍛えられます。2週間もすると腕や足から汗が出るようになります。四肢からの汗は他の部位にくらべ蒸発しやすいので、体内の熱を下げるのに効果的。汗の塩分濃度も減少しますので、夏に耐える体ができあがるのです。

真夏になったら冷房を上手に使えば、大丈夫です。今のうちから暑さ対策をしっかり身につけるとともに、豪雨の時の備えもお忘れなく。

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