暴かれたウソと壮大な開き直り。中2女子生徒が助けを求めた手を払いのける静岡県湖西市いじめ隠蔽事件の絶望

 

阿部探偵が暴く湖西市教育委員会がついた大ウソ

5月11日の第三者委員会報告記者会見直後、湖西市教育委員会の教育長は、第三者委員会の提言通り、「教育委員会直下に常任の第三者委員会」を形成すると、自信満々に答えていた。

しかし、そもそも10年前にできた「いじめ防止対策推進法」について理解不足であり、その勉強会をするなどと、トンデモない発言もしていたし、そもそもこのいじめ隠ぺい事件は、法律を無視するどころか逆行した対応で、被害生徒に回復不能な被害を与えているし、この隠蔽には教育委員会自体の法律理解不足もあり、これを指摘した第三者委員会すら、文科省のガイドラインを守らない始末であったのだ。

だから、被害側は、常設の第三者委員会自体を形成するのは危険ではないかと指摘して、まずは検証委員会を設置することを要望した。

また、国内では初の試みとしていじめ対策に実績を上げている大阪寝屋川市のいじめ対策を、被害側が提言した。これは、教育委員会ではなく市長部局に監察課を設置するというもので、積極的ないじめ被害の認知や、段階を設けたいじめ対応など機動的な対策と予防が期待できる。

こうした提言が報道によって明らかになると、湖西市教育委員会は、恰も自らが考えたかのように「常設の調査委員会(常任第三者委員会)は、市長部局直下で検討している」と公表したのだ。

被害側をサポートする唯一の支援団体として、私は本件に関与しているが、この話を聞いた時、即座にこれは「嘘」であると思った。

理由は簡単だ。

市長部局直下に第三者委員会を置く場合は、市役所の調整レベルで済む話ではない。

大阪寝屋川市の場合でも、関連する条例が議会を通っているし、根拠となる法令が必要になってくるはずなのだ。

あまりに、湖西市が小賢しいアホな回答をしているので、どうせつくならトコトン嘘をつかせようと思って黙っていたが、もう十分嘘をついたし報道記録にも残っているだろうから、本記事で明らかにしたわけだが、この地には正しい知識と経験を持った専門家がいないのだろうと思う。

広く意見を求めず、調べもせず、学びもしないからこんなことが起きているのだろう。

その後、湖西市の影山市長は、大阪寝屋川市の広瀬市長に寝屋川プランを直接学びたいと打診し、広瀬市長はこれを快諾した。広瀬市長は、感謝する被害側にTwitterを通じ公開の下で、対応していきますよと答えている。

が、しかし、「0706所見書への経過報告」では、下記のように湖西市教育委員会は回答をしている。

第三者による調査委員会の常設及び市長部局に設置する組織について

 

いじめ防止対策推進法に示されている重大事態にかかる調査委員会としての、第三者委員会は、すぐに立ち上げることができるように常設の必要があると考えております。

 

御要望のあった市長部局に、早期に対応し、いじめの芽を摘む組織については、プロジェクトチームの立ち上げと、寝屋川市への視察に向けての調整など検討を進めております。

つまりは、第三者委員会は教育委員会直下に常設するが、寝屋川プランは検討段階であるということだ。

おいおい、大丈夫なのか??である。

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