暴かれたウソと壮大な開き直り。中2女子生徒が助けを求めた手を払いのける静岡県湖西市いじめ隠蔽事件の絶望

 

「もう終わりにして。あとは静岡県教育委員会に任せてるから」

報道では、2023年7月7日に、7月6日にあった、教育委員会からの被害側への説明について報じている。

被害側は、6日に「所見、謝罪時の要望についての経過報告」とあるので、わかりやすく「0706所見書への経過報告」とここでは表記する。

さて、これ、6日の説明がなぜ7日の報道になったのか?であるが、答えは簡単だ。

市の教育委員会は、被害側は単独で話を聞くなどに恐怖していることから、報道陣の前での説明を求めたが、これを教育委員会側が拒絶し、報道陣を締め出したのだ。

さらに、書面などは、被害側から提供してもらえばいい!と対決姿勢をとったのだ。

この「0706所見書への経過報告」は、大きく「第三者委員会について」と「謝罪や処分について」「被害側への楽手支援や進学などへの不利益対応について」の3つにわけることができるが、総じて言えることは、「極めて不誠実なゼロ回答」である。

簡単に内容を要約すれば、

いじめはあった、被害者は深刻な回復不能な状態に陥った、隠ぺい行為があった、ガイドラインは守らなかった、法律も守らなかった。これら守るように頑張る。

 

だから、もう終わりにして。あとは、静岡県教育委員会に任せてるから、その判断がでたら、また検討するからさ。

である。

第三者委員会の報告や提言、被害側からの衝撃的とも言える所見書、大津の凄惨ないじめ被害やそれまでのいじめ自死事件などの積み上げとしてできた「いじめ防止対策推進法」は、すべて、スケープゴートとして使われ、まるで、通過儀礼のように「なんの反省にも基づかず、何の改善も見込めない組織」なんだろうと、被害側は説明の途中から、話す気力すら失せたという。

怒るの先にある脱力と絶望感ということであろう。それほどまでに劣化した湖西市教育委員会、いったいどこへ進もうというのだろうか。

願わくば、大阪寝屋川でよく学び、検討とは言わずに、その仕組みのみならず、志も共にしてもらいたいものだ。

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