最後の砦「自動車産業」も破滅の道を進むのか?
日本はかつて「家電王国」でしたが、韓国、中国にやられました。それでも自動車は、なんとか国際的地位を保っています。既述のように、ロシアでも、金があれば日本車かドイツ車を買います。
しかし、日本の自動車産業は、安泰なのでしょうか?前述小島先生は、こんなことを書いておられます。
中国の上汽通用五菱汽車が生産する小型商用EVを佐川急便に7200台納品するのは、東京に本社を置くEVベンチャー企業ASFです。
(62p)
ASFの日本人社長は言います。
「コストほど顧客に刺さるサービスはない。15~16社ほど、さまざまな業界大手から連絡が来ている」
(63p)
「コストほど顧客に刺さるサービスはない」そうです。
実際、大手15~16社が佐川急便のように何千台も購入すれば、それがきっかけで「中国車でもいいよね」となっていくかもしれません。
ASFの事業内容を見ると、
電気自動車の企画、開発、製造及び販売バッテリーリース事業上記に附帯又は関連する一切の業務
(ASPのHPより)
となっています。要するにASFがコントロールし、「中国で安く生産する」ということなのでしょう。
このパターン、アパレル業界でいえば、「ユニクロと同じやり方」と言えます。ASFが大成功すれば、「自動車もメイド・イン・チャイナで大丈夫だよね」となるでしょう。
次に来るのは、アパレルでいうシーインですね。つまり、中国企業が安く生産し、日本で売る。その時、日本国民の中国車に対する信用は、すでに醸成されている。
そして、「国がお金を出して中国製電気自動車の普及を後押ししている」としたら、皆さん、どう思いますか?
日本政府は同社(北野註:ASF)のEVに対し、購入と普及を促進するために補助金を適用し、その補助金込みの価格は150万円程度という低価格になる見通しだそうです。
(64p)
皆さん、これどうですか?私たち国民が納めた税金が、中国製電気自動車と日本自動車メーカーつぶしに使われる。
小島先生は、こうも書いておられます。
米国のバイデン政権は2023年4月に、「米国で最終組立を行っていないEVには米国政府の補助金を適用しない」と発表
(65p)
「グローバリストの手下」と親プーチン派からバカにされているバイデンの方が、日本政府より自国企業に優しいみたいです。
日本政府も、エコカー補助金は、完全国産車だけにしてもらいたいです。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年9月26日号より一部抜粋)
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