「ふと気づけば第三次世界大戦」2024年危機に本気で備え始めた指導者たち

 

紛争調停の専門家たちが恐れる最悪シナリオ

私が恐れ、紛争調停に携わる専門家が恐れているのが、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエルとハマスの戦争の拡大はもちろん、上記で触れた紛争の種や高まる緊張がそれぞれに呼応し、紛争と緊張のリンケージが生み出しかねない世界戦争の可能性です。 このコラムを読みながら、ヨーロッパを中心に据えた世界地図をぜひ眺めていただきたいのですが、【ロシア・ウクライナ】【イスラエル・ガザ】【コソボ】【アゼルバイジャン・アルメニア】【スーダン】【コンゴ】などの紛争が比較的狭い範囲で繰り広げられていて、それらをあえて円で囲ってみると、その中心にイランやトルコなども含まれているのが見えてきたでしょうか? そしてそこに外接する形で欧州各国があり、中央アジア諸国があり、そしてロシアが位置します。 経済的な関心が主眼ですが、ロシアからインドに繋がる経済的な回廊(メインプレーヤーはカザフスタンとインド)に接する形でミャンマーも存在し、ミャンマーは中国に接しています。 スタン系の国々を巻き込んだ経済的な回廊がグローバルサウスの盟主であるインドとつながり、その反対側のエンドにはロシアが存在する。そしてその隣には、ウクライナが……。 そうなっていくと、円をさらに広げると、さほど広くない範囲でいろいろな緊張が存在することが見えてくると思います。 現在、米中緊張と台湾有事に対する懸念が若干煽られているように見受けられますが、先に触れたこの不気味な円内で起きうる危機の連鎖に比べると、私は勃発する可能性はかなり低いと見ていますが、あまりこれらの“連鎖”には、私たちの関心が向かない(または向かせないように仕向けられている)ようです。 年初からかなり長くなってしまいましたが、以上、今週の国際情勢の裏側でした。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: YashSD / Shutterstock.com

島田久仁彦(国際交渉人)この著者の記事一覧

世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

有料メルマガ好評配信中

    

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』 』

【著者】 島田久仁彦(国際交渉人) 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く) 発行予定

print

  • 「ふと気づけば第三次世界大戦」2024年危機に本気で備え始めた指導者たち
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け