「また起きた」悪徳商法ジャーナリストが明かす「トケマッチ事件」の裏側

 

常にサービスが停止するかもしれないというリスクを心えておく必要あり

昨年11月末に販売会社からの支払いが止まって後、被害者からの報告が寄せられて、今回の首謀者も、これまで多大な被害を生み出してきた人物であることがようやくわかりました。

実際、先の記事を読んで1度きりの仕事でやめた方もいますが、残念なことに、過去に私の書いた記事をみながらも、仕事をし続けて被害に遭った方もいます。

そのバイヤーだった方に話を聞くと仕事を始めた頃に、親族が心配して、私の書いた過去記事を送ってきたそうです。しかし、記事にあるような「バイヤーの腕に時計をはめて通関させる」という指示をうけなかったため、違法性がないと思い、アルバイトをし続けてしまったと話していました。

他のバイヤーの方も、私の記事を見つけて、実質的な経営者(首謀者)に送り、この件について尋ねると「それは密輸の仕事であり、しっかりと税関での支払いはしている」との答えがあったそうで、仕事を続けたと言います。これが本当だとしたら、過去に自分が指示した違法行為であることを告げず、バイヤーをし続けさせたことになり、非常に悪質な行為だといえます。

いずれにしても、先の情報を寄せてくれた被害者の方は「自身で会社をもっと調べることが大事で、同じような記事を見つけた時には、より疑いをもっての行動が大事だ」と振り返っています。

いずれにしても、自分の所有物(トケマッチで時計を預ける)やお金(自分のクレジットカードで時計を購入する)をどこかの会社に差し出す時には、そのサービスが停止するかもしれないという最悪の状況を考えてのリスクを常に心えておく必要あります――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年2月14日号の一部抜粋です。続きは、ご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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悪徳業者などへの潜入取材した数は100ヶ所以上。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。現在はヤフーニュースのオーサ・公式コメンテーターとして、コメントやニュース記事を執筆中。消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」(2017年~18年)の委員も務めた。雑誌「ダカーポ」にて、悪徳商法に誘われたらついていく連載を担当。それをまとめた著書「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)はフジテレビで番組化され、ゴールデン枠の特番で第8弾まで放送された。新刊11月予定「信じてみたら、ダマされる。~元統一教会信者だから書けたマインドコントロールの手口」(清談社清談社Publico)

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