首都圏なら作業着は売れ続ける。ワークマンはどう生き残るべきか

 

永江さんからの回答

店舗が地方か首都圏かによっても変わりますが、首都圏なら、職人向けの作業着は外さない方が良いと思います。アウトドアやカジュアルファッションの市場は伸びないし、競合ブランドがある中で購買理由がないからです。

まず先にワークマンのフランチャイズはとても良心的で、店舗にも利益が出るようになっているので同じフランチャイズでもここを選んで良かったと思いますw。今後の店舗の売上を考えると、本筋の職人向けの作業着や機能性重視のコスパの良い商品ラインナップは維持すべきでしょう。

ワークマンのアウトドアはコロナ禍で大幅に売上が伸びたと思いますが、それはアウトドア初心者が始めるときにとりあえず安く買い揃える入門用の需要を獲得したからです。初心者もステップアップしていくと、ノースフェイスなどアウトドア専門店でデザイン性の高いものを買うため離れていってしまいますし、コロナ特需も一巡して大きく伸びる勢いはなくなってきました。

わたしもワークマンで買うのは、海釣りでびしょ濡れになっても丸洗いしても良いような長靴や、スノボのときに暖かいメリノウールなど、安くてコスパの良い数品だけです。本当にアウトドア好きな人からするとノースフェイスなどがある中で「ワークマンのアウトドアを着よう」とは考えづらいです。

ワークマン女子などカジュアルな路線を本部が押しているのは、これまで獲得できていない客層の売上を増やすためでしょう。フランチャイズの各店舗単位で考えて女子向けのカジュアルファッションやアウトドアの市場を狙うのが最適かは分かりません。市場が伸びる訳でもなく、競合ブランドに対して勝ち筋が見えない中ではおすすめはできず、底堅くシェアの高い作業着や費用対効果の良い機能性の優れた商品ラインナップは堅持した方が無難だろうと思います。

作業着を着る人口は、減るものの激減したりすることはなく、外国人労働者も呼びこまれて一定数の需要は維持されるはずです。刺しゅうなどを店舗でできるようにしているのは工務店などのニーズにも合致していてとても有効ですし、まだまだ重用頂ける余地はあるでしょう。

ただもちろん、もしお店が地方にあって、商圏内にはアウトドアの競合店が全くなくて勝ち筋があるとか、女子向けの需要が旺盛に期待できるなどの状況があったら話は変わります。店舗単位で考えると店舗地域の市場や競合の状況などは大事なので、ここまでの回答で不足するところがあればまたご質問くださいね。

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image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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