そして、はぁ!?なんだコレ、と思ったのが、賛否両論のミュージカル演出である。初回にはそれこそびっくりしたが、自分はアリだと感じた。なんといっても新鮮だ。
「炙りシメサバ♪」の合いの手、「それが組織♪」がポーズも含めて癖になった(笑)。ミュージカル中の歌詞をそのまま会話用の台詞に起こしたら説教臭くなるだろう。だからこそ、逆にミュージカル風にして遊び心をつける事で、前半のコミカルな雰囲気や軽やかなテンポとの釣り合いがとれていく。
加えて、今の時代がスマホいじりやワークライフバランスなどで“1人の時間”に閉じこもる人が増えている社会である事も考慮すると、その風潮をさり気なく皮肉っているようにも見えて、中々巧妙な手法だと感じた。うまい!一本!!と言える演出だ。
初回だけかと思ったら、このミュージカル演出は毎回あって歌(台詞)も違っていて、今ではなくてはならない演出になってしまった。スタッフ会議では賛否両論があったのか知らないが巷で賛否両論が出るくらいが逆に突き抜けられると思う。
それに昭和のエロ全開な深夜番組と、令和のホワイト化に一歩片足を突っ込んだプラスティックな情報番組を交互に配し、見る側の「不謹慎という価値観」を揺さぶってきた。
昭和も無茶苦茶だけど、令和の時代も数十年後の人からは無茶苦茶だと思われるのだろう。
昭和が平成をつくり、平成が令和をつくった。僕らも散々言われた「今時の若いやつらは」というフレーズ。このフレーズを繰り返していくことになんの意味もなく。今時の若いやつらが未来を作っていく事に信頼を寄せていくことが古いと言われるひとのお役目なのだろう。
しかし、いつの時代でも人間関係においては“泥臭い”ものが階段を一段上がれるきっかけになることは間違いないと思いたい。ホワイト化が進めば闇も深くなるから。
――(メルマガ『施術家・吉田正幸の「ストレス・スルー術」』2024年2月24日号より一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録の上、2月分のバックナンバーをお求め下さい)
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