──その柔軟な発想はどこから来るのでしょうか?
僕は「交わりは進化なり」とよく言っているんですが、一見意外な食材を合わすことで新しい料理が生まれる。
その代表作が、日本料理で使われることのなかったチーズと白味噌を組み合わせて創作した「チーズの西京焼き」で、これは当店の看板メニューになっています。
若い時からそういうことをやっていたものだから、同業者の先輩に「あれは日本料理じゃない」って言われたりもしました。
だけど、伝統を重んじることよりもお客様が喜んでくれるほうが先だと思うんです。
もちろん伝統の中でよいところは取り入れるべきですが、それをただ踏襲するのではなく、新しいものを自分で発見して創意工夫していく。伝統と革新の追求。それが生きた料理です。
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